旧門司駅遺構取り壊し イコモス会長が懸念の声明見直し求める

北九州市門司区で計画されている複合公共施設の整備に伴って取り壊される予定の旧門司駅遺構について、ユネスコの諮問機関のイコモスが重大な懸念があるとする会長名の声明文を出しました。
声明では北九州市と北九州市議会に対し、開発計画の見直しなどを求めています。
「日本イコモス国内委員会」の委員を務める九州大学の福島綾子准教授によりますと、声明文はイコモスのテレサ・パトリシオ会長名で出されました。
旧門司駅遺構については「この都市の起源を物語るものとして多くの学者から評価されている。特に機関車庫の基礎は驚くほどよく保存されており、西洋の近代建築土木技術と日本の伝統的、近世的な建築土木技術が融合した物的証拠となっている」としています。
その上で、「重要な遺構を破壊することはたとえ発掘と記録のあとであっても日本の文化遺産保護政策に反するものだと認識している」として、北九州市と北九州市議会に対し、遺構の破壊をやめて開発計画を見直すよう求めています。
また、ヘリテージ・アラートと呼ばれる警告文についても発出する可能性を示唆しています。
27日は福島准教授が北九州市役所を訪れ、この声明文を提出するということです。
北九州市は7月から遺構の追加の発掘調査を実施して記録保存を行った上で、今年度中に複合公共施設の建設を始める予定です。