「中村哲さんの夢」用水路が完成 福岡市の「ペシャワール会」

アフガニスタンで人道支援などに取り組んでいる福岡市のNGO「ペシャワール会」が報告会を開き、5年前に亡くなった現地代表、中村哲さんの長年の夢だったという新たな用水路が完成したことなどを明らかにしました。
長年、医師の中村哲さんが現地代表を務めた福岡市のNGO「ペシャワール会」は5年前に中村さんが銃撃されて亡くなったあとも現地で人道支援活動などを続けています。
1日、福岡市で開かれた報告会では、東部ナンガルハル州の山あいで1年半に及ぶ工事を経てことし3月にため池を備えた長さ5キロの新たな用水路が完成したことなどが明らかにされました。
新たな用水路が完成した地域はかつて過激派組織IS=イスラミックステートが勢力を拡大していましたが、治安が回復したため建設を進めることができたということです。
そして、現地で活動にあたってきた理事の藤田千代子さんは建設工事の様子を写真で紹介し、「中村先生の長年の夢だったため池を用水路の末端のほうに2つ、つくりました。10万トンの水がためられるようになり、子どもたちも水くみが楽になったと喜んでいました」と伝えていました。
講演会のあと会長の村上優さんは「中小河川のかんがい事業で大きな一歩になったと思う。中村先生の精神を引き継ぎ地に足をつけたようなプロジェクトを今後も続けていきたい」と話していました。