息子を殺人未遂の罪に問われた母親に検察が執行猶予の求刑

去年10月、福岡県内の自宅でシングルマザーとして小学生の息子を養育していた母親が息子の首を絞めたとして殺人未遂の罪に問われている裁判で、検察は論告で「動機は身勝手だが、助けになる受け皿を多くすることも必要だ」として懲役3年、保護観察がついた執行猶予の判決を求めました。
去年10月、福岡県内で小学生の息子と暮らしていた母親は、自宅で息子の首を携帯電話の充電コードで絞め、けがをさせたとして殺人未遂の罪に問われています。
福岡地方裁判所での公判では母親がシングルマザーで、おととし同居していた両親が相次いで施設に入り、1人で息子を養育する中、孤独や悩みを深めて不眠などになったことなどのいきさつが明らかにされました。
29日は論告が行われ、検察は「一緒に死のうとした動機は身勝手だが、息子も一緒に生活することを望んでいる。助けになる受け皿を多くすることが必要だ」として懲役3年、保護観察がついた執行猶予の判決を求めました。
また、弁護側は「母親は精神的、肉体的に追い詰められていた。軽い罪ではないが、2度とこのような罪を犯さないように、治療や支援が必要だ」として、執行猶予のついた判決を求めました。
最後に母親は「事件があった日から、ずっとあの日のことを悔やんでいます。1番苦しいのは息子に手をかけてしまったことです。息子を守るやり方を間違えました。人生をやり直したい。これからも息子と生きていきたいと思っています」と述べました。
判決は、30日言い渡されます。