福岡 天神の「イムズ」跡地に地上21階建て高層ビル着工

福岡市が進める再開発事業「天神ビッグバン」で、また新たに高層ビルの建設が始まりました。
3年前に閉館した商業ビル「イムズ」の跡地に15日、地上21階建てのビルが着工しました。
「イムズ」の跡地に建設が始まったのは地上21階、地下4階のビルです。
福岡市が進める再開発事業、「天神ビッグバン」の対象で、国の国家戦略特区を活用して建物の高さ制限などが緩和されたことで高さはおよそ91メートルの高層ビルになる予定です。
15日は着工にあわせて、不動産開発会社の担当者がこのビルをめぐる計画の内容を発表しました。
それによりますと1階から3階と16階以上には外資系ホテルが入り、19階と20階には天神地区を一望できるルーフトップバーも設けるということです。
また、3階から15階にはオフィスが入居するということです。
このほか地下2階から2階にはレストランやテナントなどが入る予定で、地下部分を天神の地下街と結ぶことで福岡市地下鉄などへの利便性を確保するということです。
三菱地所の中島篤社長は、「イムズは長年ランドマークとなるような役割を担ってきた。新しい計画でも、福岡の人々に愛され、街の魅力を高める施設を作っていく」と話していました。
新たなビルの完成は2026年の12月末を予定していて開業は翌年、2027年中を目指すということです。
「イムズ」の跡地は福岡市役所の西側で「渡辺通り」に面した天神のど真ん中に位置します。
イムズは32年もの間天神のランドマークとして若者を中心に親しまれ、福岡市の再開発事業、天神ビッグバンを見据えて3年前に閉館しました。
「天神ビッグバン」は福岡市が天神地区で規制緩和による民間投資を促すことで進めている再開発プロジェクトで、平成27年から始まりました。
市によりますと2026年末までにおよそ70棟、2030年までにおよそ100棟のビルの建て替えを見込んでいるということです。
3年前には「天神ビジネスセンター」が完成したほか、今回の「イムズ」跡地のすぐ隣、「福ビル」と「天神コア」「天神ビブレ」の跡地には西鉄が手がける新しい高層ビルがことし12月に完成予定です。
このほか「新天町商店街」や「福岡パルコ」、「福岡中央郵便局」でも再開発の計画が打ち出されています。
大規模な商業施設は郊外にも増えていて、イムズ跡地の開発を手がける会社の担当者は「どう差別化するかが課題だ」としています。
ただ建設業界では、資材費の高騰や人材不足が課題となっています。
さらに新型コロナの影響などで天神ビッグバンの計画にも遅れが出ているということです。
福岡の経済のけん引役とも言える再開発事業「天神ビッグバン」が今後どのように進むのか、一段と注目が集まっています。