赤ちゃん遺棄事件の福岡のベトナム人実習生 初公判で無罪主張

ことし2月、福岡市博多区のアパートで死産した赤ちゃんの遺体を遺棄したとして死体遺棄の罪に問われているベトナム国籍の技能実習生の母親の初公判が福岡地方裁判所で行われ、母親は「遺体を投棄していません」と無罪を主張しました。
ベトナム国籍の技能実習生、グエン・テイ・グエット被告(20)は、ことし2月、福岡市博多区のアパートの部屋で赤ちゃんの遺体を袋に入れごみ箱に投棄したとして死体遺棄の罪に問われています。
14日、福岡地方裁判所で開かれた初公判で、被告は「全く違います。遺体を投棄していません」と述べて、無罪を主張しました。
検察は冒頭陳述で「去年12月に被告は妊娠に気づいたが、勤務先に伝えるとベトナムに帰国させられるなどと考えて周囲に相談できず、誰にも明かせなかった。出産したあと、遺体をごみと一緒に処理しようと考えてごみ箱に入れた。そして、中をのぞき込んでも遺体が見えないように空き箱を遺体の上にかぶせた」と主張しました。
被告側は6月の裁判で具体的な主張を明らかにすることにしています。
今回の事件について深刻な事態になるまえに防ぐことができたのではないかと受け止めている人がいます。
妊娠中の女性たちを支援する福智町の産前産後母子支援ステーション「MamaRizumu」は、予期せぬ妊娠や貧困、DV、障害などさまざまな背景で出産の前から支えを必要としている女性の支援をしています。
「ママリズム」の大島修二所長は今回の事件について「やるせない気持ちがいっぱいでしたし、このような事態になる前に母親とつながることができなかったことが残念でなりません」と話しました。
この施設で受け入れる妊婦のうち外国籍や海外にルーツをもつ妊婦も増えているということで、外国人の妊婦の支援について「言葉の壁や文化の壁は確かにあり、人に頼るということを遠慮する方もいます。さまざまな理由で、妊娠を誰にも言えないというような外国人の妊婦さんとなると、さらに把握するだけでも難しくなるんじゃないかという現実はあると思います。また生まれたお子さんに対する手続きも日本の方とは少し違うので注意が必要です」と指摘しました。
その上で「ベトナム人の女性が誰かとしっかりとつながることができていれば、防ぐことができたと思います。自治体や受け入れ企業はさまざまな支援団体や地域と連携して、社会全体として支えていくことが大切だと思います」と話していました。
産前産後母子支援ステーション「MamaRizumu」の問い合わせ先は、0947−23−0560です。