マダニ媒介の感染症 福岡県で3例 肌露出しないなど対策を

毎年この時期に活動が活発になるマダニが媒介する感染症が福岡県内でも5月5日までに3例確認されています。
マダニの生態に詳しい専門家は草むらの近くなどで活動する際は肌を露出しないなど対策をとるよう呼びかけています。
マダニは吸血性の節足動物で春と秋を中心に活動が活発になり通常は2ミリから3ミリ程度ですが、動物などの血を吸うと1センチほどの大きさになり、山に近い場所のほか公園の草むらなどでも生息しています。
マダニは病原体を媒介することでも知られ福岡県内では4月以降主にマダニにかまれて感染する「SFTS=重症熱性血小板減少症候群」の患者が2人、「日本紅斑熱」の患者が1人確認されています。
マダニの生態に詳しい九州大学衛生昆虫学研究室の藤田龍介准教授は、「SFTSは致死率が高い上有効な治療法がまだ確立されておらず難しい感染症だ」とした上で、対策として農作業や庭仕事に加え、草むらに入る際などは肌を露出しないことやマダニ対策に有効な「ディート」や「イカリジン」といった成分が入った虫よけ剤を使うことを呼びかけています。
また、マダニにかまれた場合は無理に取ろうとするとマダニの体が皮膚に残るおそれがあるとして、皮膚科の受診を呼びかけています。
藤田准教授は、「九州は山間部や山里が多く農業や畜産業の従事する人も多いため、人とマダニが接する機会が多く、マダニが媒介する感染症に注意が必要だ」と話しています。