AI活用で洪水予測精度向上へ 九州大学などでつくるグループ

九州上空に流れ込む水蒸気の量などのデータとAI=人工知能を使って、洪水を予測する新たな技術の研究に九州大学などで作るグループが取り組んでいます。
研究に取り組んでいるのは、九州大学大学院の杉原裕司教授を代表とする、複数の大学や企業などで作るグループです。
研究では、九州上空に流れ込み雨雲を発達させる水蒸気の量などを把握するため、九州の西にある長崎県の福江島と鹿児島県の下甑島に地上から上空の水蒸気や気温の状況、それに風向きなどを即時、観測できる機器を設置します。
こうして得られたデータを、人工衛星による気象データとともにAIに学習させるなどして洪水を予測する新たな技術を開発し、筑後川や球磨川などの流域の洪水予測の精度の向上につなげたいとしています。
研究は3年計画で進められ、すでに、下甑島への機器の設置は完了しているということです。
研究グループの代表、九州大学大学院の杉原教授は「AIによる予測を加えて予測精度を向上させることで、災害で苦労をされている方々が安心して暮らせる、そういう社会の構築に貢献できるのではないか」と話しています。