事件事故現場での化学物質鑑定技術を福岡県警の研究員が開発

事件や事故の現場で発生した蒸発しやすい、アンモニアや硫化水素などの化学物質の鑑定を可能にする技術を福岡県警の研究員が開発しました。
これらの物質の特定にはこれまで半日以上かかっていたということで、鑑定のスピードアップや精度の向上が期待されます。
新たな技術を開発したのは、福岡県警察本部科学捜査研究所の白木亮輔研究員(34)です。
白木研究員は科捜研の鑑定業務のかたわら、九州大学大学院で研究を重ね、アンモニアや硫化水素などの化学物質に液体物質を入れて別の物質に変換することで、鑑定を可能にする技術を開発し、3月、工学博士号を授与されました。
硫化水素は自殺に用いられるほか、アンモニアは工場などで起きる労災事故の原因となることがありますが、いずれも非常に軽く蒸発しやすいため、専用の装置を使ってもこれまで原因物質の特定に半日以上かかっていたということです。
研究成果により鑑定のスピードアップや精度の向上が期待されます。
白木研究員は「大変うれしく思っています。異物混入の事案など様々な事件・事故の捜査に研究成果が生きてほしい」と話していました。