九大跡地再開発の優先交渉権者にJR・西鉄・西部ガスグループ

福岡市東区の九州大学箱崎キャンパスの跡地を中心とした大規模な再開発計画について、九州大学などは事業を担う優先交渉権者にJR九州や西日本鉄道、西部ガスなどのグループを選定したと発表しました。
再開発計画は、移転に伴って閉校した九州大学箱崎キャンパスの跡地を中心に進められていて、敷地面積は合わせて50ヘクタールと、PayPayドーム7個分にあたり、都市部でのさら地からの開発計画としては国内最大級とされます。
この計画のうち、民間が担う分について事業者の公募が行われ、九州電力や九電工などのグループ、JR九州や西日本鉄道、西部ガスなどのグループ、それに地元の大手スーパーを中核とするトライアルのグループの3陣営が応募しました。
九州大学などは、先端技術で街の機能を高め、省エネも実現する「スマートシティー」などの観点から提案の審査を進めた結果、18日午後、事業を担う優先交渉権者にJR九州や西日本鉄道、西部ガスなどのグループを選定したと発表しました。
九州大学箱崎キャンパスの跡地をめぐっては、2018年までのキャンパスの移転に伴い、その周辺を含めた50ヘクタールという広大な土地の再開発計画が、博多駅から電車で2駅の都市部で本格的に動き出しました。
近隣には福岡市地下鉄の箱崎九大前駅や西鉄の貝塚駅があるほか、3年後にはJR鹿児島本線の新駅の開業も計画されていて、地元の大手企業が共同での開発に向け調整を進めてきました。
しかし、計画をめぐり、コンサートやイベントを開催できる2万人規模の「アリーナ」を建設するかどうかで意見が折り合わず、このため、▽九州電力などのグループはアリーナの建設を、▽JR九州などのグループはITを生かした街づくりを盛り込んだ計画を提案していました。
一方、ことしに入り、▽地元の大手スーパーを中核とするトライアルのグループも、ほかの大手の流通や食品会社42社と連携し、街作りを進める計画を明らかにし、3陣営による争いとなっていました。
福岡市の高島市長は、「選ばれた提案では緑豊かな都市空間や多様な都市機能、セキュリティ、モビリティ、エネルギーなどのさまざまなスマートサービス、まちづくりマネージメントなどさまざまな観点から提案がなされていると聞いており、魅力的なまちづくりになることを期待しています。今後とも地域とともに創り上げたグランドデザインに基づいて九州大学や地域などの関係者と連携し、未来に誇れるまちづくりに取り組んでまいります」というコメントを発表しました。