「十分な賃上げにつながらず」診療報酬改定の見直し訴え 福岡

医療従事者の賃上げなどのため、ことし6月に行われる診療報酬の改定について、県内の看護師などで作る労働組合が福岡市で集会を開き、今回の改定は十分な賃上げにつながらずいっそうの取り組みが必要だと訴えました。
看護師や介護福祉士などで作る福岡県医療労働組合連合会によりますと、6月の診療報酬の改定では、県内の多くの医療機関で賃上げ率が政府の今年度の目標の2.5パーセントには及ばない見通しだということです。
こうした中、県医労連は18日、福岡市中央区の警固公園で集会を開き、組合員およそ30人が集まって賃上げを訴えました。
この中で、医労連の團野美保執行委員長が「賃金を上げて人員を確保をしないと人手不足に歯止めがかかりません。私たちが現場の実態を声を上げて訴え、県民のみなさんに理解してもらうしかない」とあいさつしました。
このあと、「安全・安心の医療・介護実現のため、人員増と処遇改善を求める」などとする決議案を採択しました。
そして、組合員たちは「医師や看護師などの大幅増員を」などと書かれたのぼり旗を掲げて福岡市中心部を行進したあと、ティッシュを配布しながら医療現場の人手不足の状況を訴えていました。
團野執行委員長は「ベースアップを見込んで診療報酬が改定されるが、働く人の賃金アップにつながる見込みはなく、まだまだ足りないということを国にわかってもらいたい」と話していました。