屋台の営業継承申請の許可を福岡市に命じる判決 福岡地裁

福岡市の屋台で働く男性が父親から屋台の営業を継承するための申請が市に認められなかったのは違法だと主張して許可を求めた裁判で、福岡地方裁判所は市に対して申請を許可するよう命じ、営業の継承を認める判決を言い渡しました。
福岡市博多区の屋台で働く原敬太さんは(43)3年前、屋台を営む父親の体調が悪化したことを理由に営業を継承するために必要な許可などを申請したところ不許可になりました。
営業の継承は平成25年の福岡市の屋台基本条例で、配偶者や直系血族のうち条例が施行された時点で屋台の営業に従事していた人に一回限りで認められていますが、市は書類などを考慮しても、原さんが屋台営業による収入で生活していたとは判断できないことなどから営業の継承を認めなかったということです。
原さんはこの処分は違法だと主張して申請の許可を求める訴えを起こしています。
27日の判決で福岡地方裁判所の林史高裁判長は「近くの屋台で働いていた人の話などから条例が施行された時点で原さんは月平均10万円ほどの収入を得ていて、屋台営業による収入で生活していたと推認できる。これと異なる事実を前提とした市の処分は違法となる」などとして、市に対して申請を許可するよう命じ、営業の継承を認める判決を言い渡しました。
判決のあと会見を行った原告の原さんは「父が何十年もやってきた屋台なので、なんとか継ぎたい思いでした。判決を受け、身が引き締まる思いです」と話していました。
一方、福岡市は「主張が認められず残念です。今後の対応については、判決文を精査して検討していきたいと考えています」とコメントしています。