製鉄副産物のスラグと下水で肥料づくり 北九州市上下水道局

北九州市上下水道局は鉄の製造過程で出るスラグと呼ばれる副産物を活用した肥料づくりに取り組んでいて、新たに導入した実証用プラントの見学会を開きました。
見学会は25日小倉北区にある「日明浄化センター」で行われ、肥料を扱う事業者などが参加しました。
この肥料づくりは北九州市上下水道局が日本製鉄のグループ会社の「日鉄エンジニアリング」と共同で行っていて、下水から植物の成長に欠かせないリンを回収する新たな技術を用いています。
25日は実証用プラントで鉄の製造過程で出るスラグを塩酸で処理してカルシウムを取り出し、これをリンが含まれた下水と反応させる工程が紹介されました。
この工程を経たスラグはリンを多く含む化合物となり、肥料に活用できるということです。
見学した事業者はスラグを実際に手に取って確認したり、担当者に実用化のめどについて質問したりしていました。
北九州市上下水道局は今後1年間、安全性の確認や栽培に適した作物の調査など行うことにしています。
北九州市上下水道局下水道計画課の松田信治係長は、「スラグは製鉄所で大量に出るもので、それが新たに付加価値を生む製鉄のまちの北九州ならではの取り組みです。今後も研究を進めていきます」と話していました。