「浸透圧発電」発電所起工式 実用化レベルでは国内初 福岡市

海水と淡水の塩分の濃度の差を利用し発電する実用化レベルでは国内初だという「浸透圧発電」の発電所の起工式が福岡市で行われました。
福岡市や周辺の自治体などでつくる福岡地区水道企業団は「浸透圧発電」の発電所を福岡市東区に建設し、来年3月から稼働させる計画です。
建設工事が始まるのを前に、25日は関係者が起工式を行い、工事の安全を祈願しました。
「浸透圧発電」は、塩分濃度が違う水が、浸透膜と呼ばれる特殊な膜を隔てて接する時、濃度が低い方から高い方に水が移動する現象を活用してタービンを回し発電します。
天候や昼夜を問わず発電でき次世代の自然エネルギーとして注目されていますが、一般の海水の塩分濃度では十分な発電量が得られず普及は進んでいません。
一方、福岡市では渇水対策として海水から真水をつくる施設を運用していて、その過程でできる塩分濃度が高い水を活用することで実用化レベルまで発電効率を高められるメドがたったということです。
建設費はおよそ7億円で、年間で88万キロワットアワー、一般家庭で300戸分ほどの発電を計画していて、実用化レベルでは国内初となる見通しです。
福岡地区水道企業団の中村貴久企業長は、「浸透圧発電は天候などに左右されず安定的に発電が可能で、実用性を実証し、将来的には日本中、世界中で使えるようにしたい」と話しています。