カネミ油症 一斉検診で新たに1人患者認定 福岡県で2年ぶり

昭和40年代に西日本一帯で相次いだ食品公害、「カネミ油症」で、去年福岡県内で行われた検診で、2年ぶりに新たに1人が患者と認定されました。
「カネミ油症」は、昭和40年代に北九州市のカネミ倉庫が製造した食用油に有害なPCBなどが混入し、西日本で健康被害が相次いだ国内最大規模の食品公害です。
福岡県では毎年8月ごろに患者と認定されていない人を対象にカネミ油症の一斉検診を行っていて、去年は33人が受診し、このうち1人が新たに患者と認定されました。
県の検診を通じて患者が認定されたのは令和3年以来、2年ぶりです。
県生活衛生課によりますと、3月22日現在、県内に暮らす認定患者の数は485人となっています。
発生から60年近くがたち、健康被害を受けた人たちの高齢化も進む中、患者で作る団体は、未認定の被害者の救済や、認定患者から生まれた子どもも救済の対象に含めることなどを国やカネミ倉庫に求めています。