温室効果ガスの削減に向け岡垣町の藻場の調査結果を報告 九大

温室効果ガスの削減に向け、「ブルーカーボン」と呼ばれる海藻などが吸収する二酸化炭素を増やす方法を研究している九州大学などのグループが、岡垣町で行った藻場の調査結果を発表しました。
それによりますとウニなどによる海藻の食害が確認され、来年度、駆除などに取り組むとしてます。
海藻などが光合成の際に吸収する二酸化炭素は「ブルーカーボン」と呼ばれ、温室効果ガスの削減が課題となるなか世界的に注目されています。
九州大学とトヨタ自動車九州では去年から岡垣町の波津周辺の海で藻場の調査と海藻などを増やすための研究を行っていて、26日、町役場でこれまでの状況を報告しました。
それによりますと去年3回に分けて、沿岸の海域を調べたところ、一部で海藻が無くなる「磯焼け」が起きていることが確認されたということです。
原因として海藻を食べるウニなどによる食害が考えられ、こうした生き物を駆除することが「ブルーカーボン」の増加につながるとしています。
研究グループでは来年度以降、地元の漁協と協力してウニの駆除に取り組むほか、磯焼けした場所に海藻を育てる技術などの開発に取り組むということです。
九州大学大学院の栗田喜久准教授は「この海域は海のゆりかごと呼ばれる藻場が想像以上に残っている。海藻が吸収する二酸化炭素は脱炭素社会の実現のためにも重要なので、今後も連携して藻場の再生に取り組みたい」と話していました。