新型コロナ治療薬で県と共同研究久留米のベンチャー企業破産へ

福岡県と共同で新型コロナウイルスの治療薬の研究・開発に取り組んでいた久留米市のベンチャー企業が、裁判所に破産を申請したことがわかりました。
破産を申請したのは、久留米市のベンチャー企業、「ボナック」です。
代理人の弁護士によりますと、会社は2010年に設立され、特に「核酸医薬」と呼ばれる新薬の研究・開発を手がけていました。
県などによりますと、会社は2020年から県と共同で新型コロナの治療薬を研究・開発するプロジェクトに取り組み、医療分野の研究などを支援する「日本医療研究開発機構」の事業にも採択されました。
県からは研究・開発費として3000万円の補助金が交付されたほか、国からも3年半の間に50億円の支援を受けるとしていましたが、プロジェクトは薬の有効性を示すことができず途中で終了しました。
関係者によりますと、会社は、その他の新薬の開発でも成果が出せなかったことで医療品の製品化に至らず、研究資金が枯渇し、業績が悪化したということです。
代理人の弁護士によりますと負債総額はおよそ15億円で、2月9日付けで福岡地方裁判所久留米支部に破産を申請し、今後、破産手続きの開始決定を受ける見通しです。