福岡県で避難生活ウクライナ人夫婦 在留資格「定住者」に変更

ロシアによるウクライナ侵攻から2月24日で2年となる中、県内では、避難生活を送ってきたウクライナ人の夫婦が8日、国の新しい制度を利用して最長で5年間、日本で暮らすことができる「定住者」の在留資格に変更するなど、地域に根ざした安定的な暮らしを目指す動きが広がっています。
在留資格を「定住者」に変更したのは、おととし4月から県内で避難生活を送ってきたシデンコ・ウラジミールさんとイリーナさんの夫婦です。
8日は、福岡市中央区にある福岡出入国在留管理局を訪れて在留資格の欄に「定住者」と記された新しい在留カードを受け取りました。
これによって、シデンコさん夫婦は最長で5年間、就労を制限されずに日本で暮らすことができ、希望すれば、日本語や日本での日常生活のルールなどが学べる「定住支援プログラム」を受けられるということです。
シデンコさん夫婦は県内で暮らす娘を頼って来日し、これまで週に2回ほど福岡市内の総菜店で働きながら避難生活を送ってきましたが、ウクライナ侵攻の長期化で帰国の見通しが立たないことから、去年12月に運用が始まった国の新しい制度を利用して在留資格を1年間滞在できる「特定活動」から「定住者」に変更することを決断したということです。
シデンコさんは「申請してからきょうまでドキドキして結果を待っていたので、これで安心しました。これからは安心して安定した生活ができるようになると思います」と話していました。
県内に避難してきたウクライナの人たちの支援にあたっているNPO法人の山下ゆかり代表は「支援プログラムは最終的に自立することが目標だが、このプログラムだけですぐ自立できるわけではないので、私たちもどのような形で自立に向けてサポートできるか考えていきたい」と話していました。
シデンコさん夫婦が利用した国の新しい制度は、ウクライナを念頭に紛争から逃れてきた人などを難民に準じて保護するもので、福岡出入国在留管理局によりますと、県内ではこれまでに数人が「定住者」の在留資格に変更したということです。