福岡空港から基準超の鉛・ベンゼン検出 除去費は県と市が負担

かつてアメリカ軍基地があった福岡空港の敷地内から、基準値を超える鉛やベンゼンが検出され、除去費用として、福岡県と福岡市がおよそ3億8000万円を負担していたことがわかりました。
環境汚染に伴う復元費用などについては「汚染者負担の原則」がありますが、県と市は「滑走路の増設事業の一環として負担した」と説明しています。
国土交通省大阪航空局などによりますと、2015年度以降、福岡空港の滑走路増設事業に伴い空港内の土壌を調べた結果、国際線ターミナル前などの38の地点で特定有害物質の鉛やベンゼンを検出したということです。
検出された量は鉛が多いところで基準値の6.2倍、ベンゼンは23倍で、地下水の汚染はなく、周辺への健康被害のおそれもないことを確認しました。
国は汚染が確認された土壌を除去すなどの対策を講じましたが、この費用について国が3分の2を支出し、残りの費用を2019年度から4年間で、県がおよそ2億3000万円、福岡市がおよそ1億5000万円を負担しました。
福岡空港周辺にはかつてアメリカ軍板付基地があり1972年に日本に返還されましたが、国土交通省は「鉛などがアメリカ軍由来のものかは特定できていない」と話しています。
環境汚染に伴う復元や救済の費用については汚染を引き起こした者が費用を負担すべきだという「汚染者負担の原則」がありますが、福岡県と福岡市は、費用を負担した理由について「空港法に基づいて、滑走路の増設事業の一環として負担した」と説明しています。