福岡地裁で初の原告尋問 子宮頸がんワクチン接種集団訴訟 

子宮頸がんワクチンを接種した女性たちが接種後に体の痛みなどの症状が出たとして国と製薬会社2社に対し賠償を求めている裁判が福岡地方裁判所で開かれ、全国4か所で進められている集団訴訟で初めて原告への尋問が行われました。
このうち北九州市に住む25歳の女性は症状の深刻さを訴えたうえで「被告は責任を認めて副反応の治療法の確立に全力を注ぐべきだ」と主張しました。
子宮頸がんワクチンを接種したあと体の痛みなどの症状が出たと訴えている患者たちは、高い有効性や安全性などを備えていないのにワクチン接種の促進政策をとったのは違法だとして8年前の2016年に国や製薬会社に賠償を求める集団訴訟を起こし、福岡のほか、東京、大阪、名古屋のあわせて4か所で裁判が続いています。
このうち福岡、長崎、鹿児島、沖縄、広島、それに山口県に住む22歳から29歳のあわせて26人の女性患者が国と製薬会社2社に賠償を求めている福岡地方裁判所の裁判で22日、初めて原告への尋問が行われ、2人が心情を語りました。
このうち、北九州市に住む梅本美有さん(25)は法廷で「高校の時は血液が鉛になったような、目が覚めているのに体を起こすことができないけん怠感があった。いまだに体中が痛み、吐き気もある」と症状の深刻さを語りました。
その上で「周りの友達は社会的に自立し、仕事や結婚をしている。私は毎日痛くて苦しくて血を吐くような10年間でした。私の人生を返してほしい。国や製薬会社はせめて責任を認めて私たちに起きた副反応の治療法の確立に全力を注ぐべきだ」と訴えました。
一方、被告側はこれまでの裁判でいずれも争う姿勢を示し、製薬会社側は「ワクチンの安全性は多くの臨床試験や各国の評価機関、専門家による検討などを通じて医学的・科学的に確立している。接種と検診により子宮頸がんのリスクを低減させることは非常に重要だ」などと主張しています。