【独自】ハエが鳥インフルエンザウイルス媒介関与か 九大調査

鳥インフルエンザウイルスの媒介に、ハエが関与している可能性があることが九州大学の研究グループの調査でわかりました。
これまでは小動物などを想定して感染防止対策がとられていて、グループではハエの侵入を防ぐ対策を行って効果を検証することにしています。
鳥インフルエンザは昨シーズン全国26の道と県で確認されて過去最多の1771万羽が処分され、この冬もすでに各地で確認されています。
九州大学大学院農学研究院衛生昆虫学分野の藤田龍介准教授の研究グループは去年12月、感染が相次いだ鹿児島県出水市の養鶏場近くなど30か所あまりでおよそ900匹の「オオクロバエ」を採取して詳しく調べました。
その結果、最も多かった地点では、15%ほどのハエから高病原性の鳥インフルエンザウイルスを含む鳥のふんが検出され、ウイルスは感染力を維持していたということです。
藤田准教授によりますと、オオクロバエは主に冬に活動し2キロほど移動が可能で鶏舎周辺でもよく見られ、ニワトリもハエを食べる性質があるということです。
藤田准教授は、ハエが、感染した野鳥のふんや死がいからウイルスを取り込み鶏舎に持ち込んでいる可能性があるとして、「今まで小動物や人などがウイルスを持ち込む想定で対策がとられてきたが改善せず、ハエを疑ったところウイルスが検出された。今後さらに詳しく調査してハエの侵入を防ぐ対策を行い、効果を検証していきたい」と話していました。