県内の医療機関従事者8割近く「仕事を辞めたい」 労組の調査

福岡県内の医療機関で働く看護師などの8割近くが
「仕事を辞めたい」と思いながら働き、背景に深刻な「人手不足」があることが労働組合の調査でわかりました。
調査は看護職員などでつくる日本医労連=日本医療労働組合連合会が労働環境の改善に役立てようと全国規模でおおむね5年ごとに行っていて、今回は、新型コロナの収束が見通せなかった去年10月から12月に実施されました。
このうち福岡県では看護師など1640人が回答し、結果がまとまりました。
この中で仕事を辞めたいと思うか、という設問に対し「いつも思う」(20.7%)「ときどき思う」(56.6%)と答えた人は、あわせて77.3%にのぼりました。
理由では、「人手不足で仕事がきつい」が54.7パーセント、「思うように休暇が取れない」が31.2パーセントとなっていて、仕事を「辞めたい」と思う看護師などの多くが「人手不足」を感じていたことがわかりました。
福岡県医労連は、コロナ禍での業務量の増加、労働環境の過酷さなどからメンタル不調を訴えたり離職したりして人手不足に拍車がかかっていたと分析しています。
今回の調査結果からは「人手不足」が医療現場での長時間労働や健康不安、仕事のミスにつながる可能性も指摘され、福岡県医労連の団野美保執行委員長は「国民に必要な医療・看護を提供するためにも国が看護師を確保するための対策を行うことを切に願います」と話しています。