福岡市の保健所一元化 市民団体が計画撤回求める

福岡市が来年度から保健所を一元化する方針を示したことについて、地元の市民団体が感染症など有事の対応には保健所の維持が重要だとして計画の撤回を求めました。
福岡市は効率的な運用を図るため、市内の7つの区にそれぞれある保健所を統合し、来年度から中央区に設ける「福岡市保健所」に一元化する方針で、12月の定例市議会に必要な条例の改正案を提出しています。
この方針について地元の市民団体「福岡市から政治をかえる会」は市役所で会見を開き、感染症など有事の対応には保健所の維持と人員の拡充が重要だとして市に対して計画の撤回を求める申し入れを行ったことを明らかにしました。
申し入れでは一元化で人員が削減されれば職員の負担が増えるほか、市民サービスの低下が懸念されるとしています。
会見の中で、市民団体の内田大亮事務局長は「感染症を抑え込むために保健所が持つ意義は非常に重要だ。命と暮らしを脅かす条例の改正案は絶対に通してはならない」と述べました。
一方、福岡市保健医療政策課は、「市民が不安に思っていることはしっかりと受け止める。一方で今回の統合は人員削減ありきではなく保健所の役割分担を見直し、危機対応に専念できる体制をつくるためのもので、丁寧に説明していきたい」とコメントしています。