中村哲さん銃撃から4年 遺志受け継ぎ新たな用水路建設進む

アフガニスタンで長年、人道支援に携わってきた医師の中村哲さんが銃撃されて亡くなってから4日で4年になります。
現地では、中村さんの遺志を受け継いだ人たちが新たな用水路の建設などの活動に取り組んでいます。
福岡市のNGO、ペシャワール会の現地代表としてアフガニスタンで長年、人道支援に携わってきた医師の中村哲さん(当時73)は4年前の12月4日、東部ナンガルハル州で何者かに銃撃され死亡しました。
事件の捜査は、イスラム主義勢力タリバンが実権を握ってからも進展は見られず、真相解明の見通しは立っていません。
一方、中村さんの死後もペシャワール会は現地への支援を続けていて、ナンガルハル州のコット地区では1年ほど前からかんがいのための新たな用水路建設が進められています。
中村さんとおよそ20年にわたって働いてきた技師のファヒーム・シルザドさんが中心となり、地域の住民たちに中村さんが考案した技術を教えていました。
アフガニスタンでは、長引く干ばつで深刻な食料不足が続いていますが、用水路は来年3月に完成する予定で、周辺に住む1万4000人の生活の改善が期待されています。
技師のファヒームさんは「中村さんの願いは、アフガニスタン人を笑顔にすることで、人々が仕事を得て豊かになることだった。その夢を実現したい」と話していました。
作業に参加している住民の男性は「中村さんと一緒に作業をしてきた人たちのおかげでこの地域も発展できると感じられるようになりました。とても幸せです」と話していました。