県が「インフルエンザ警報」発表し警戒呼びかけ 感染者が急増

県内でインフルエンザの感染者が急増し1医療機関あたりの平均の数が今シーズン初めて警報基準を上回りました。
福岡県は30日、「インフルエンザ警報」を発表して警戒を呼びかけています。
福岡県は新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症について、11月20日から26日までの1週間に定点把握された感染者数を発表しました。
このうち、インフルエンザの感染者数は8206人と前の週より2749人増えました。
1医療機関あたりの平均は41.44人となり、国が警報の基準と定める「1医療機関あたり30人」を上回ったとして、県はきょう「インフルエンザ警報」を発表しました。
地区別に流行状況を見ると、1医療機関あたりの平均は福岡地区が47.77人、北九州地区が41.33人、筑後地区が37.92人、筑豊地区が16.63人となっています。
県によりますと、県内にインフルエンザ警報が出されるのは2019年1月以来です。
福岡県は「前回の流行では1医療機関あたりの平均が70人近くになったこともあり今後さらに感染者が増える可能性がある。感染対策を徹底し、症状が出たら早めに医療機関を受診してほしい」と呼びかけています。
一方、子どもを中心に高熱や結膜炎などの症状が出る咽頭結膜熱=いわゆるプール熱の感染者数は869人で前の週より80人増えました。
1医療機関あたりの平均は全国平均の2倍以上の7.24人になっていて県は、12週連続で警報を出して警戒を呼びかけています。
また、新型コロナの感染者数は352人で前の週より95人増えました。
福岡市中央区にある小児科のクリニックでは2週間ほど前からインフルエンザと診断される子どもが急増しています。
30日も朝から発熱や頭痛などを訴える子どもたちが次々に受診していました。
このうち38度を超える熱で受診した小学2年生の女の子は、検査の結果インフルエンザA型と診断され、医師から薬の説明などを受けていました。
母親によりますと、同じ学年に学級閉鎖となっているクラスがあるほか、女の子のクラスにも発熱で休んでいる児童が複数いるということです。
このクリニックでは、先週1週間にインフルエンザと診断されたのは38人にのぼり、検査をした人のおよそ半分が陽性だということです。
また、クリニックにはインフルエンザワクチンを接種する子どもも訪れました。
ワクチンを接種した1歳の女の子の母親は「かかっても症状が軽くなればいいなと思って打っています。感染者が多いので、早めに打とうと思って10月から打ち始めました。いつ誰がかかるかわからないので、毎日手洗いして気をつけています」と話していました。
福岡市医師会常任理事で、「桜坂なかやまこどもクリニック」の中山英樹院長はことしの感染状況について、「特にこの2週間は感染者が増えている印象だ。例年、年末年始にかけて増え3月までに収束するが、ことしは感染者が増え始めた夏からすでに4か月目に入っているし非常に流行期間が長い」と指摘しています。
また、インフルエンザA型に複数の型が確認されているとして、「A型でも2つのタイプがはやってるので、すでにかかった人でもワクチンを打った方がいい。そして家族がインフルエンザになった場合には、なるべく空間を別にするなど、家族でうつさないように注意してほしい」と話していました。