福津市の日本酒醸造施設 国の重要文化財指定へ

明治期に福岡県内で最大級の醸造量を誇った福津市にある日本酒の醸造施設が新たに国の重要文化財に指定されることになりました。
新たに国の重要文化財に指定されるのは福津市津屋崎にある「豊村酒造旧醸造場施設」で、明治期に福岡県内で最大級の醸造量を誇りました。
施設内には明治から大正にかけて整備された12棟の建物がほぼそのまま残されていて、当時の酒造の工程を知ることが出来る点で歴史的価値が高いということです。
このうち敷地内で最も古い建物は明治10年代に建てられたとみられる、酒を貯蔵するための木造2階建ての「古酒倉」2棟で醸造のための作業スペースを広く確保するため柱を省略した造りになっています。
また主屋は福岡市周辺に現存する町家の中で最大級の規模で、土間の天井部分に曲がった丸太を縦や横に何段も重ね、はり組を見せている点や土間から奥の座敷へと続く取次部分を吹き抜けにし、2階部分に高欄を設置して神棚をまつっている点など福岡市周辺の町家の特徴を多く残しています。
国の文化審議会は、24日、重要文化財の指定を文部科学大臣に答申しました。
県によりますと、これで県内の建造物で国の重要文化財は46件になるということです。