ニセ電話詐欺で詐取の電子マネー 競輪ネット販売通じて洗浄か

ニセ電話詐欺でだまし取られた電子マネーが、公営賭博である競輪のインターネット販売を通じて現金化されていたことが福岡県警などの捜査でわかりました。
法整備が十分に追いついていないとの指摘もある電子マネーが、犯罪グループの資金洗浄に悪用されている実態が浮き彫りになりました。
警察によりますと、ニセ電話詐欺事件でだまし取られた電子マネーを現金化したなどとして東京都や愛知県の男女3人を検挙した事件について、捜査を進めた結果、現金化の詳しい手口が明らかになりました。
それによりますと、電子マネー売買会社を経営する被告が、ニセ電話詐欺グループから受け取った電子マネーを、競輪の順位予想をするSNS上のグループに売っていたということです。
競輪予想のグループはこの電子マネーを使い、競輪のインターネット販売サイトで的中率が高い代わりに倍率が低い車券を大量に購入し、購入金額とほぼ同額の払い戻しを受けていました。
この際、競輪予想のグループは電子マネー売買会社の被告に対し購入金額の8割分を現金で支払っていたということでグループ側は差額の2割を利益として手にし被告側は電子マネーを元の8割の金額で現金化させていた形です。
こうして現金化された犯罪収益を別の被告が金融機関で引き出し、元の詐欺グループに環流させていたということで、法整備が十分に追いついていないとの指摘もある電子マネーが、犯罪グループに悪用されている実態が浮き彫りになりました。
一方、警察によりますと、現金化に加担した形となる競輪の予想グループは、電子マネーが詐欺でだまし取られたものだったという認識がなく立件されなかったほか、一連の捜査でもニセ電話詐欺グループ自体の所在はつかめず、全容の解明には至っていません。