福岡県 農作物などの被害深刻 アライグマ捕獲へ計画策定開始

繁殖力が強く、生態系や農作物への被害が深刻な課題となっている特定外来生物のアライグマについて、福岡県は、捕獲などを進めるため、計画の策定を始めました。
県庁では31日、アライグマ防除対策協議会の初会合が開かれ、有識者や地元の猟友会、それに市や町の担当者などが参加しました。
この中で、協議会の会長に選任された北九州市立自然史・歴史博物館の伊澤雅子館長は「アライグマの防除は簡単ではない。時間もお金もかかりその覚悟が必要だ。固い決意で取り組まなければならない」と述べました。
県によりますと、アライグマは繁殖力が強く、県内で確認された数は2013年度に118頭でしたが2021年度には2060頭と8年間でおよそ17倍に増えていて、発見された地域も16市町村から39市町村に広がっています。
また、農作物の被害も深刻で、2021年度の被害額は前の年度より900万円多い2500万円とぶどうやすいか、それに、とうもろこしの被害が目立っています。
協議会では、年内までに捕獲などを進めるため実施計画をとりまとめるとともに▼小中学校などに講師を派遣し外来種問題の啓発を行うほか、▼捕獲などの担い手を育成する講習会を行うことにしています。
福岡県自然環境課の藤野広課長は「アライグマの防除は県民の力が必要だ。県全体で取り組める内容の計画を策定したい」と話していました。