記録的大雨で小石原焼に大きな被害 再開のめど立たない窯元も

7月の記録的な大雨で東峰村の伝統工芸品、小石原焼の窯元も大きな被害を受け工房や窯が全壊した窯元では再開のめどが立たない状態が続いています。
7月10日の記録的な大雨で東峰村では各地で土砂崩れが発生し、伝統工芸品の小石原焼の窯元も大きな被害を受けました。
小石原焼陶器協同組合によりますと、加盟する42の窯元のうち、12の窯元が土砂流入などの被害を受けたということです。
このうち、小野窯元は、裏山の土砂崩れや、川の氾濫の影響で、工房や窯など5棟が全壊しました。
素焼きのものも含めるとおよそ1万点が被災し60年以上前から継ぎ足して使ってきた釉薬の配合を書いたノートも流されてしまったということです。
窯元の小野妙子さん(58)は、「釉薬のレシピを書いたノートは窯元の命というくらい大事なものです。それがすべて無くなってしまった」と涙を流していました。
この窯元では、北九州を中心に展開するうどんチェーン「資さんうどん」の丼や皿の制作も20年近くにわたって担っていますがいつ納品を再開できるかわからないということです。
小野窯元は6年前の九州北部豪雨でも土砂が流入する被害を受けましたが今回はそれを大幅に上回る被害で今後は、SNSなどを通じて寄付を募って再建を目指したいとしています。
小野さんは「被災してすぐは、命があるだけで、と思いましたが、またか、という気持ちです。建て直すといっても、莫大な費用なのですぐにはできないですが、焼き物をつくるために頑張っていきたいです」と話していました。