犬鳴川で小学6年女子3人が溺れる 全員の死亡確認 宮若市

21日昼過ぎ、福岡県宮若市を流れる犬鳴川で小学6年生の女子児童3人が溺れ、全員の死亡が確認されました。
夏休み初日の21日、子どもたちだけで川で遊んでいたということで、警察や消防が当時の状況などについて確認を進めています。
警察によりますと、21日午後0時50分ごろ宮若市を流れる犬鳴川で、女の子から「友だちがあがってこない」と110番通報がありました。
午後1時半ごろに消防と警察が3人を川の中から救助して北九州市などの病院に意識不明の状態で搬送しましたが、警察によりますと、3人全員の死亡が確認されたということです。
学校によりますと3人は同じクラスの小学6年生で、ほかの同級生とあわせて8人で川で遊んでいました。
警察によりますと、当時、周囲に大人はいなかったとみられるということです。
河川事務所によりますと宮若市の中心部を流れる犬鳴川は一級河川の遠賀川の支流で3人が救助された現場近くにある錦橋付近の川幅はおよそ40メートルだということです。
また、地元の住民によりますと、現場付近では、犬鳴川と別の川が合流し、川底がえぐれて急に深くなっている場所があるということです。
3人は深さ2.5メートルから3メートルの川底で見つかったということで、警察や消防が当時の状況などについて確認を進めています。
宮若市教育委員会によりますと市内の小学校は20日が終業式で、21日が夏休みの初日でした。
現場近くに住む60代の女性は「パトカーがたくさん来て気がつきました。現場にむかって、消防隊や警察官が走って向かっていました。現場の近くには友達とみられる子どもたちが3、4人いて泣いていました。あのあたりはとても深く、深さが3メートルもあると聞いたことがあるので、まさか遊んでいる人がいるとは思わなかったです」と話していました。
また、80代の女性は「15年くらい前に中学生くらいの男の子が犬鳴川と山口川の合流部分で遊んでいて、川底の土砂に足を取られて、男の子でも抜け出すのが大変でとても怖い思いをしたと聞いたことがあります。現場は護岸工事などが行われたばかりで土手に降りるための階段も設置されたので、それで土手まで下りたのかなと思います。あの場所はいつも散歩をしていますが、私は川の底が深いことを知っているのでもし私が気がついたら入ったらだめだと注意をできていたのに残念です。かわいそうでたまりません」と話していました。
60代の男性は「救急車やパトカーのサイレンが聞こえてなんかあったのかと思ったら事故が起きていました。びっくりしました。あの場所は川の岸や底をきれいにする工事が行われましたが、川の合流部分は深く、大雨でえぐられたのかなと思います。自分たちが小さい頃はよく遊びに行って泳いでいましたが、最近は子どもが遊ぶ姿は見ていなかったです。終業式が終わって夏休みに入り特にきょうは暑かったので遊んでしまったのかなと思います」と話していました。
福岡県宮若市を流れる犬鳴川で小学生の女子児童3人が溺れ、2人が死亡したことを受け、児童が通う宮若西小学校が会見を開きました。
日高暢裕校長は「本日から夏休みでした。きのうは終業式で、元気な姿で送り出したところでした。このような事故が起こり、とてもつらい」と述べました。
学校によりますと、溺れた3人の児童は6年生の同じクラスだということで、21日は午前中、6人で学校近くの施設で一緒に勉強したあと、昼食後に2人が合流して8人で川で遊んでいたということです。
その上で「最初は浅いところで遊んでいたそうですが、そのうち遊んでいたうちの4人が急に川の深いところにはまってしまった。そのうちの1人は近くにいた友だちが2人でなんとか引っ張り上げたという状況と聞いています」と説明しました。
学校は、6年生の保護者を対象にあす保護者会を開くとともに、担任が家庭訪問を行い心のケアが必要な児童にはカウンセリングをするということです。
学校によりますと、20日の終業式のあとの指導で子どもだけで川に行かないよう呼びかけていたということですが今回の事故を受けて指導が十分でなかったとして、職員と地域が一体となって見守りをおこなっていくということです。