九電社長 電力カルテル・顧客情報不正閲覧を株主総会で陳謝

九州電力の池辺社長は28日開いた株主総会で、電力カルテルと顧客情報の不正閲覧の一連の問題について、株主に陳謝しました。
九州電力が福岡市中央区のホテルで開いた株主総会には、株主200人あまりが出席しました。
冒頭、池辺社長は、公正取引委員会から関西電力との間でカルテルを結んだと指摘されていることや顧客情報を不正閲覧した一連の問題について「株主のみなさまに多大なご心配とご迷惑をおかけしておりますことをお詫び申し上げます」と述べ、陳謝しました。
これに対して株主からは「コンプライアンスのシステムが機能しておらず、独立した委員会を設置すべきだ」とか「社長の責任の取り方が甘い」などといった提案や批判が出されました。
電力カルテルの問題をめぐっては一部の株主が会社に対して、役員たちに260億円余りの賠償を求める訴えを起こすよう請求していて、会社側の対応が焦点になっています。
また、総会では、一部の株主が原発の稼働に対して「なぜ福島の事故を経験して日本は脱原発にならないのか」と質問したのに対し、経営側は電気代の抑制や脱炭素の観点から原発は必要だと説明しました。
総会後、出席した株主からは「不祥事について社長も会長も謝っていたが、それで終わる問題ではない。社会的な信頼が失墜したと思う」とか「原発の稼働にはメリットがあるのかもしれないが、安全性が100%担保されているのか分かりづらい」といった声が聞かれました。