カラーで分子レベルの観察できる電子顕微鏡 九産大など販売へ

九州産業大学などはカラーで分子レベルの観察をできる電子顕微鏡を7月から販売することを発表しました。
実用化されるのは世界初で、がん診断などの精度の向上が期待できるとしています。
九州産業大学は8日、会見を開きカラーの電子顕微鏡を来月から、医療機関向けに販売することを発表しました。
実用化の目安とされる分子レベルの観察ができるものとしては世界で初めてだとしています。
電子顕微鏡をめぐっては、白黒で映し出すものが主流で、より正確な診断に向けてカラー化と高倍率を両立した装置が求められていて、九州産業大学は福岡市内の企業と研究開発を進めてきました。
今回、開発した装置は、色を識別できるものの倍率が低い光学顕微鏡と、電子顕微鏡の画像を独自の技術で合成し、カラー化と7000倍の倍率を実現したということです。
がんの疑いがあるものなど特定の組織を光らせる試薬をあわせて使うことで、細胞ひとつひとつのレベルでの診断につながる可能性があるとしています。
九州産業大学の礒部信一郎教授は、「装置を広く広めて、治療や病気のメカニズムの解明にも役立てたい。今後は、2万倍の倍率を目標に改良を行い、本格的なビジネス化に向けて生産などを担うパートナーの企業探しも進めていきたい」と話していました。