「飯塚事件」の再審請求で新たな目撃証言の男性への証人尋問

31年前、飯塚市で小学生の女の子2人が殺害されたいわゆる「飯塚事件」で、すでに死刑が執行された元死刑囚の家族が裁判のやり直しを求める2度目の申し立てをめぐり、弁護側が新たな目撃証言とする男性への証人尋問が31日、行われました。

平成4年、飯塚市で、小学1年生の女の子2人が登校途中に連れ去られ、遺体で見つかったいわゆる「飯塚事件」では、殺人などの罪に問われ、一貫して無罪を主張していた久間三千年元死刑囚(70)の死刑が確定し、平成20年に執行されました。
元死刑囚の家族は、再審=裁判のやり直しを求める2度目の申し立てを2021年7月に行っています。
申し立てでは県内の70代の男性が、事件当日、元死刑囚の車と似た軽乗用車を元死刑囚ではない男が運転し、後部座席に2人の女の子が乗っているのを目撃したという証言が新たな証拠となっています。
きょうは福岡地方裁判所で、この男性への証人尋問がおよそ2時間にわたって非公開で行われました。
このあと男性は弁護団と一緒に会見し、証人尋問では▼車を運転していた男の髪型は丸刈りで、▼事件の裁判を傍聴した際、見た目が元死刑囚とは全く異なっていたことなどを話したと述べました。
弁護団の徳田靖之弁護士は、「初めての取り調べが行われ、再審に向けて大きな山場を越えたと思う」と話していました。
一方、弁護団によりますとことし3月、裁判所が検察に対し証拠品のリストを開示するよう勧告したのに対し、検察は拒否したということです。