5類移行後初 定点把握の感染者福岡県1医療機関平均2.4人

福岡県は、新型コロナの感染症法上の位置づけが5類に移行してから初めて一部の医療機関で定点把握された感染者数を発表しました。
5月14日までの1週間の1医療機関あたりの平均は2.4人となっています。
新型コロナの感染者数は、これまですべての医療機関からの報告をもとに毎日、全数が発表されていましたが、5月8日に5類に移行したのに伴って、インフルエンザなどと同じように一部の医療機関で定点把握された1週間分の感染者数が週に1度、発表される方式に変わりました。
福岡県は18日、変更後、初めて県内198の医療機関で定点把握された感染者数を発表し、5月8日から14日までの1週間であわせて475人でした。
保健所別では福岡市で154人、北九州市で59人、久留米市で20人などとなっています。
また、1医療機関あたりで見ますと、平均2.4人となりました。
福岡県は「今回の数字を過去と比べて多い少ないと判断するのは難しい。来週以降、前の週と比較するなどして動向を注視していきたい」としています。
インフルエンザの場合は、1医療機関あたり感染者が10人を超えれば注意報を出して感染対策を呼びかけていて、県は、新型コロナについても全国共通のアラート基準を設けるよう国に求めています。
この数字をどう見ればいいのか専門家に聞きました。
九州大学病院グローバル感染症センターの下野信行センター長は「定点あたり2.4という数字はちょうどインフルエンザに例えると、まだ注意ではないが、少し増え出すかなという値だ。10を超えると注意が必要で、1以下だとほぼ安全ということになる。2.4は大きな流行ではないが、小さな発生が続いている状況と言える」と指摘しました。
そして「これまでは1日ごとに増えた減ったとしていたが、1週間に1度でもしっかり報告してもらえれば増加傾向なのか減少傾向なのかは分かると思う」と述べました。
その上で「5類になって一番言えることは、基本に立ち返ってできる感染対策を行い、体調の悪いときには多くの人が接するような場所には行かないなど、きっちり守っていくしかないと思う。いくら数が落ち着いていても施設などで感染が広がる可能性はあるので基本的な感染対策が重要だ」と述べ、適切な感染対策を呼びかけました。