太宰府市の大学 ウクライナから避難のカップルが“結婚式”

福岡県で避難生活を送るウクライナ人カップルの結婚を祝おうと、太宰府市の大学のキャンパスで日本の支援者らが手づくりの「結婚式」を開き、母国から遠く離れた地で夫婦となった2人の門出を祝いました。
「結婚式」を挙げたのは、福岡県内で避難生活を送る▼ユーリー・モロズさん(43)と▼ナタリア・クリメンコさん(35)の夫婦です。
式は、ウクライナ人避難者の心のケアを行っている団体が企画したもので、会場を提供した太宰府市の日本経済大学が受け入れているウクライナ人学生や日本の支援者など、およそ60人が集まりました。
妻のクリメンコさんはザポリージャ州の都市、ベルジャンシクの出身で家族はいまも現地に残され、2人も一時は離ればなれになったものの、ことし2月に福岡県内で一緒に暮らすことができるようになり、入籍したということです。
料理やケーキ、新婦のドレスなどはすべて寄付や参加者が持ち寄ったものだということで、集まった人たちは、母国から遠く離れた地で夫婦となった2人の門出を、手づくりの式で祝っていました。
夫のユーリー・モロズさんは、「本当はウクライナにのこしてきた家族ともそろって結婚式をあげたかったですが、いまは戦争のためそれができません。戦争が終わったらまたほかの家族にも会いたい」と話していました。
企画した団体の浮世満理子代表は「お二人の結婚をウクライナの避難民の方々と一緒にお祝いすることで、少しでも希望をもって戦争に負けない気持ちを持っていただきたい。先の見えない戦争の中で避難生活を送る人たちは私たちが思っている以上にいまも苦しんだり傷ついたりしているので、地域の中で孤立させない、孤独にさせないことが重要だと思います」と話していました。