小倉銘菓「小菊饅頭」の和菓子店 原材料価格高騰などで廃業へ
北九州市の小倉の銘菓として長年親しまれてきた「小菊饅頭」を製造する和菓子店が原材料価格の高騰などの影響で廃業することになり22日、最後の製造を行いました。
北九州市小倉北区にある「藤屋」は昭和29年創業の和菓子店で、「菊」の焼き印を記したひとくちサイズの「小菊饅頭」は土産や茶菓子として地元で親しまれてきました。
しかし、新型コロナの影響で手土産の需要が減ったところに砂糖などの原材料から包装紙といった資材まで価格の高騰が経営を圧迫し、採算が取れないとして来月末に廃業することを決めました。
22日はスタッフ5人が、まんじゅうの最後の製造にあたり山芋と米粉を混ぜた生地を練って白あんや黒あんを詰め、蒸し上げていました。
製造はほとんどが手作業で行われ、室内は、蒸し器から出る蒸気とほんのり甘い香りに包まれていました。
22日は、1日で、およそ1万2000個を作るということです。
「藤屋」の藤田千栄子副社長は「最後のおまんじゅうはおいしく仕上がりました。和菓子は嗜好品なので、高騰した分を価格に転嫁できず、零細企業では生き残りが難しくなりました。おいしいと言ってくれたお客様には申し訳ないです」と話していました。