「犯罪被害者週間」 久留米市などで遺族の講演や相談窓口紹介
11月25日から始まっている「犯罪被害者週間」にあわせて、県内では、飲酒運転による事故で子どもを亡くした遺族の講演や、犯罪被害者になったときの相談窓口を知らせる啓発活動が行われました。
このうち久留米市の久留米筑水高校では、平成11年に鳥取県で起きた飲酒運転による事故で、当時、大学生だった次女を亡くした、糸島市の大庭茂彌さん(75歳)が講演しました。
この事故では、飲酒運転の車がセンターラインを越えて次女が運転する車に正面衝突し、3人が犠牲になりました。
講演の中で大庭さんは、「娘は21歳で命を奪われ、やりたい夢や希望、すべてが吹っ飛んでしまった。今、元気に学校に通えることが一番の幸せだということを知ってほしい」と語りました。
その上で、大庭さんは、「皆さんにできることは飲酒運転を見逃さないことで、絶対に皆さんの家族から加害者を出さないでほしい。飲酒運転をなくしみんなの命をみんなで守ってほしい」と訴えました。
講演のあと、久留米筑水高校の生徒会長の川上翔太さんは、「初めて遺族の講演を聴いて、交通事故の危険さや脅威を鮮明に知ることができた。この講演で学んだことを家族や友人に話して飲酒運転の撲滅につなげていきたい」と話していました。
また、柳川市の商業施設では、犯罪被害者への理解を深めてもらおうと、啓発活動が行われました。
柳川警察署の警察官が、買い物客らに犯罪被害者週間に合わせて作成したチラシを配りました。
チラシには犯罪被害者になった場合の相談窓口のほか、柳川警察署が独自に作成したシンボルマークが記されていて、犯罪被害者に寄り添う思いを込めて、柳川市の名物のうなぎと、みやま市の伝統工芸品「きじ車」がハートを形作っています。
このマークを考案した柳川警察署の佐矢本大輔巡査部長は、「ひとりひとりの意識が変わるだけで、犯罪被害者の置かれた状況も変わると思うので、啓発を続けたいです」と話していました。