安倍元首相「国葬」 福岡県庁などに半旗 反対デモも

27日午後、安倍元総理大臣の「国葬」が行われました。
福岡県の服部知事らも参列し、県庁などには半旗が掲げられました。
ことし7月、参議院選挙の応援演説中に銃撃されて亡くなった安倍元総理大臣の「国葬」は27日午後、東京・千代田区の日本武道館で行われ、福岡県の服部知事や福岡市の高島市長、北九州市の北橋市長も参列しました。
県は「これまでの内閣・自民党合同葬と同等の対応を取りたい」としてけさから県庁で弔意を示す半旗を掲げ、87か所の出先機関にも協力を要請しました。
半旗は福岡市と北九州市も市役所の本庁舎や区役所で掲げました。
一方、県は「弔意を表す行動を呼びかけるとなると、協力とはいえ、強制と誤解されたり同調圧力を生んだりするおそれもある」として、県民や県の職員に黙とうは求めませんでした。
また、教育委員会や市町村に対しても学校での半旗掲揚などは要請しませんでした。
戦後、総理大臣経験者を対象とした「国葬」が行われたのは、1967年の吉田茂氏以来、55年ぶりで、各種の世論調査で賛否が分かれる中での実施となりました。
福岡市では、安倍元総理大臣の「国葬」に反対するデモ行進も行われました。
27日午後、安倍元総理大臣の「国葬」が東京で行われたのにあわせて、国葬に反対する13の市民団体や個人、およそ100人が、福岡市中央区の警固公園からデモ行進を行いました。
参加者たちは横断幕やプラカードを掲げ、「国葬反対」、「弔意を国民に強制するな」などと声をあげながら、およそ4キロ行進しました。
参加した60代の男性は「銃撃され亡くなられたのはとんでもないことだと思いますが、それとは少し切り離して国葬をするかしないか考えないといけないと思います」と話していました。
70代の女性は「国葬を強行してしまうのは民主主義ではないと思います。国葬自体にこれだけ反対意見があるのに市が弔旗を掲げるのはおかしいと思います」と話していました。
国内でも数少ない、国葬研究の専門家の前田修輔氏は「国葬は国が行う最高レベルの栄典で、ある意味忘れ去られていた歴史上の出来事が55年ぶりに行われた。今の状況ではないだろうと考えていたので、驚きの方が大きい」と話しました。
その上で「吉田茂元総理大臣の国葬の際には、できるだけ批判が出ないような工夫を与党の自民党側が行い、野党側にも根回しをしていた。それが、今回は、衝撃的な死ということもあり、批判が起こらないような手段をあまりとらなかった部分があると思う。事前の下準備が少なかった」と述べました。
そして「国葬となると、主権者である国民が死を悼む形になると思う。それを体現するためには国会で何らかの決議があることが、形を整える上で必要なプロセスだった」と指摘しました。
また、九州大学法学研究院で憲法学が専門の赤坂幸一教授は、安倍元総理大臣の国葬について「これだけ問題になった背景には現代社会の価値観が多様化していることがあげられる」と指摘しました。
その上で「政府は今回、『弔意を強制しない』という立場だが、国葬を行うということは自分自身も一員であるはずの国全体の意思として1つの共通の価値観に基づいて特定の人物を象徴化する意味合いがある。自分の考え方とは違うという人もいるだろうし、違和感を覚える人は少なくない。とりわけ政治家を象徴化するということがどういう意味を持つのか、価値観が多様化した時代でも国を挙げて国葬という形をぜひとるべきなのか、慎重に考えていくべきだ」と述べました。
そして「今回、国葬を決定した政府の手続きやそのプロセスについて法的に問題があるとは言えないと思うが、今後は国会や国会が設置する機関が関与する仕組みを設ける必要がある」と指摘しました。