商業施設女性殺害事件 検察当時15歳の少年に不定期刑を求刑

おととし、福岡市の商業施設で面識のない女性を殺害した罪などに問われている当時15歳の少年の裁判で、検察は懲役10年以上15年以下の不定期刑を求刑しました。
一方、弁護側は医療少年院での治療を求めました。
判決は今月25日に言い渡されます。
おととし8月、福岡市中央区の商業施設で買い物に訪れていた面識のない当時21歳の女性を包丁で刺して殺害したとして、当時15歳で現在17歳の少年が殺人などの罪に問われています。
きょうは、被害者の女性の母親が出廷し、ついたてが設置された法廷で意見を述べました。
この中で母親は「右手が不自由な私ができないことを娘はちゃんと見てくれて、家事を手伝ったり髪を結んだりしてくれました。私に障害があるせいか人を傷つけない、優しい思いやりのある子に育ちました」と話しました。
その上で「娘のあまりの傷のすごさに言葉を失い、『悔しいね』『痛かったね』という言葉しか出てきませんでした。葬儀に友達が200人以上来てくれて娘がこんなに愛されていたと誇りに思うとともに、犯人に対する憎しみがわいてきました。将来、結婚したり子どもが生まれて孫ができたりする期待もあって全てを奪われた気持ちで、心の中にぽっかりと穴が空いたようです。悔しいです」と声を振り絞るように訴えました。
その上で「裁判は、少年の経歴や生い立ちばかりが問われ、娘が無残に殺された現実が置き去りにされている。罪と向き合わせるために一生、刑務所に入ってもらいたい」と述べ厳罰を求めました。
その後、検察は「数々の施設や少年院で処遇を重ねても改善・更生に至っていない。今なお、罪と向き合おうとする兆しがないと言わざるを得ず、保護処分による更生の見込みは非常に乏しい」と主張しました。
その上で「公共の場で面識のない相手に行った無差別犯罪は残虐性が高く、社会に与えた不安や恐怖が極めて大きい。保護処分は社会的に許されない」として、少年に対する不定期刑で最も重い懲役10年以上15年以下を求刑しました。
これに対して弁護側は「著しく不適切な家庭環境によって生じたトラウマなどの問題に治療的養育を施すことが必要だ。刑罰を科した場合少年の抱える問題はそのままで再犯の可能性がある。それを防ぐのが社会の責任だ」として医療少年院に送る保護処分を求めました。
判決は今月25日に言い渡されます。