政治資金規正法改正 自民はきょう 立民は週明けにも法案提出へ

政治資金規正法の改正をめぐり、自民党は17日に単独で国会に法案を提出する方針で、立憲民主党も週明けに提出する方向で調整しています。来週半ば以降には、法案の審議や与野党の協議も始まる見通しで、政治改革の議論が本格化することになります。

派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて、自民党は17日に政治資金規正法の改正案を単独で国会に提出する方針です。

法案では議員本人への罰則を強化する、いわゆる「連座制」を導入するため、収支報告書の確認を議員に義務づけ、会計責任者が不記載などで処罰された場合に、確認が不十分であれば公民権停止の対象にするとしています。

また、公明党と折り合えなかったパーティー券の購入者を公開する基準額は、現在の「20万円を超える」から「10万円を超える」に引き下げるとしています。

渡海政務調査会長は「時間があまり無い状況で、国会終盤に向けて緊張感を持って臨みたい」と述べました。

これに対し立憲民主党の安住国会対策委員長は「自民党の案は不十分で、そのまま譲歩して乗っかることにはならない」と述べました。

立憲民主党は、議員本人に収支報告書の記載や提出を義務づけ、不記載などがあった場合には公民権停止の対象となる「連座制」の導入に加え、「政策活動費」の見直しなどを盛り込んだ法案を検討しています。

そして、来週はじめにも、国民民主党と共同で提出する方向で調整を進めていて、具体的な条文をめぐり、17日も両党の実務者が協議します。

また、日本維新の会も来週、独自の法案を提出する方針です。

来週半ば以降には、衆議院の特別委員会で法案の審議が始まるとともに、与野党による協議も行われる見通しで、来月23日の国会の会期末をにらみ、政治改革の議論が本格化することになります。

岸田首相「各党と真摯に協議 信頼回復に取り組む」

岸田総理大臣は参議院本会議で「政治とカネの問題に対する抜本的解決策として、私の指示のもと、幅広い点にわたる改正案を提示した。方向性は与党間でも合意ができており、制度面で実効性のある再発防止策を示したものだ。今後、各党と真摯(しんし)に協議を行い、政治の信頼回復に取り組む」と述べました。

河野デジタル相「自民が先頭に立ち 議論されることを期待」

河野デジタル大臣は、閣議のあとの記者会見で「政治改革については自民党が先頭に立ち、国民の信頼を回復できるようしっかりした議論がなされることを期待したい。政治資金のデジタル化については各党・各会派でまとめられれば、デジタル庁として総務省と連携しながら対応したい」と述べました。

立民 泉代表「自民党案は低レベル 野党案受け入れ本気で改革を」

立憲民主党の泉代表は記者会見で「自民党案は、公明党に一蹴されて当然の低いレベルの案だ。自民党は野党の案を受け入れて政治改革を本気で進めてほしい。公明党には是々非々の姿勢で臨んでもらい、われわれと協議して案をつくってもらいたい。自民党に反省や危機感がないことが明らかになっており、政治改革を議論する特別委員会で厳しく対応していきたい」と述べました。

そのうえで、政治資金規正法改正案の共同提出に向けた国民民主党との協議について、「法案を共同提出できれば、一つ前進だ。提案を真摯(しんし)に受け止め、できるかぎりのことはしたい。胸襟を開いて話し合えば、よい答えが出てくる」と述べました。

公明 石井幹事長「衆院特別委で党の主張を展開したい」

公明党の石井幹事長は記者会見で「本来であれば与党として共同提出できることが望ましかったが、時間的な余裕もなく、自民党の提案に一緒になるのは難しいという状況に至った。来週から衆議院の特別委員会で議論が始まると思うので、その場でしっかりと党の主張を展開したい。多くの政党の合意が望ましいので、その方向に促す役割を果たしていきたい」と述べました。

また、公明党単独で法案を提出する考えがあるかを問われ「今のところ単独で提出する考えはない。あえて法案を出さなくても党の考え方はしっかりと訴えられる」と述べました。