移りゆくふるさとの風景 撮影するカメラマンは 南三陸町
震災で多くの建物が被害を受けて町の景色が変わった南三陸町では、地元のカメラマンの男性が移りゆくふるさとの風景を撮影しました。
12年前の震災で3000棟以上が全壊した南三陸町では、震災のあと沿岸部がかさ上げされ、震災復興祈念公園や震災伝承館などが整備されました。
町内で写真館を営むカメラマンの佐藤信一さんは、震災後、毎年3月11日に町の姿を写真におさめていて、11日も移りゆくふるさとの景色を撮影しました。
11日は土曜日で、晴天にも恵まれたため町内には多くの人が訪れていて、佐藤さんは、午後2時46分に、震災伝承館や43人が犠牲になった旧防災対策庁舎が1枚の写真におさまるように高台から、祈りをささげる人たちの様子を撮影しました。
佐藤さんは「この辺りに全壊した私の自宅もあったのでこの場所で撮影したかった。震災前の町並みは2度と戻ることはできなくてさみしいですが、今は命を守るための新しい町に生まれ変わりました。10年以上たったきょうも大勢の人が集まってくれてありがたいし、この場所で何があったのかを伝えるための写真をこれからも撮り続けたい」と話していました。