震災遺構の中浜小学校を無料公開 語り部が校舎を案内 山元町
東日本大震災の津波で被災し、震災遺構として整備された山元町の中浜小学校が震災から12年となる11日、無料で公開され、当時の記憶を伝える語り部が校舎を案内しました。
山元町の中浜小学校は、高さ10メートルを超える津波に襲われ、2階建ての校舎の天井近くまで浸水しましたが、児童や住民など90人は屋上にある屋根裏倉庫に避難して全員助かりました。
11日は無料で公開され、午前中から多くの人たちが訪れて津波に襲われた教室や、校舎周辺の被害状況が分かる写真などを見て回っていました。
校舎内では随所で語り部が案内し児童や住民が避難したときの緊迫した状況や津波が襲って学校周辺の住宅がすべて流されていった様子について説明し訪れた人たちは真剣な表情で聞いていました。
山形県から息子を連れて来た50代の男性は「同じ東北に住む人として忘れないようにという気持ちで来ました。息子は当時の記憶がないので、伝えていかなければと思っています」と話していました。
中学2年生の息子は「悲しいという気持ちとともに自分にも起こりうるんだということを感じました」と話していました。
語り部をしている「やまもと語りべの会」の阿部泉人さん(18)は「後世に伝えていきたいという思いで話していました。話を聞くことで、防災に対する意識が高まってほしいなと思います」と話していました。