“成長した娘と共に” 家族の絵を披露 南三陸町
東日本大震災から、11日で12年です。
愛知県の画家が描いた震災で亡くなった当時6歳の女の子の成長した姿と家族の絵が完成し、10日、家族に初めて披露されました。
愛知県田原市の画家、小林憲明さんは、震災や原発事故で家族を亡くしたり離ればなれになったりした人などから依頼を受け、これまで200枚以上の家族の絵を描いてきました。
10日から南三陸町にある神社で作品展が開かれ、7枚の絵が展示されています。
このうち、石巻市で津波に巻き込まれ、その後亡くなった当時6歳の西城春音さんの家族から、去年5月、「成長した娘と一緒に家族全員のいまを描いてほしい」という依頼を受け、制作を続けていた絵も展示されています。
完成した絵には、18歳に成長した春音さんが震災後に生まれた弟を後ろから抱きしめ、笑顔で見守る姉や弟、それに両親のあわせて6人の家族が描かれています。
10日、春音さんの家族5人が会場を訪れ、成長した姿と対面しました。
母親の江津子さんは「いつも家族が1人足りないと感じ、絵の中でいいから全員の姿を残したいと思っていたので、すごくうれしいです」と話していました。
また、姉の楓音さんは「はるちゃんはずっと小さいままだったから、初めて成長した姿を見られた気がします」と話していました。
小林さんは「家族の救いになればと思い、描きました。西城さんの家族が前を向いてもらえる絵になってほしいです」と話していました。
作品展は11日まで開かれ、西城さんの家族の絵は11日に届けられるということです。