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エピソードで振り返る! 人気大河「ベスト10」(「あなたの好きな大河ドラマ」投票結果より) 第2位 第43作 新選組! 2004年(平成16年)

エピソード1 新鮮!「新選組!」

大の大河ドラマファンであり、大河の執筆は長年の夢だったという三谷幸喜さん。その思いはいたるところに凝縮され、新鮮な感動を呼んだ。

史実のすき間にすてきな出会いを!

物語は、新選組が結成される10年前からスタートした。三谷幸喜さんは、「歴史にない部分を創造するという苦労もありましたが、その分、書いていて一番楽しかったですね」と語っている。この時期の狙いは、近藤勇(香取慎吾)を多くの人と出会わせること。勇が桂小五郎(石黒賢)の紹介で坂本龍馬(江口洋介)と出会うというエピソードもその一つだ。

当時、勇の道場があった試衛館と桂が塾頭をつとめていた練兵館はすぐ近くで、小さな道場だった試衛館はエリート道場の練兵館から手伝いで人を借りることがあった。一方、龍馬は桶町の小千葉道場の塾頭で、龍馬と桂が塾頭同士で試合をした記録が残っている。また、龍馬はこのころ佐久間象山(石坂浩二)と出会っている。

こうした歴史的事実を踏まえて、勇と桂が顔見知りなら、勇と龍馬が知り合いになってもおかしくない。そんな想像をふくらませて、彼らが一緒に黒船を見に行く場面が誕生した。

全49話に「年月日」を表示

三谷さんは執筆にあたって「近藤勇や仲間たちの目線で時代を見て、彼らのリアルな息吹、空気感を描きたい」と、勇の人生に影響を与えた49日をピックアップ。毎回、年月日と場所を表示して、それぞれのエピソードをできる限り1日の物語として描くという手法をとった。

たとえば、勇が日野へ出稽古に行った日を「安政四(1857)年十月十三日 多摩」とした第2話。この当時の勇の詳細な記録が残っていたわけではないのだが、その翌日、勇と土方歳三(山本耕史)が江戸への帰路、ハリスの行列を見かけるという場面を描くために設定した日付だ。ハリスの行列が10月14日という記録があったため、その前日から勇が多摩へ出かけるようにした。

こうした史実にのっとった入念な計算が、歴史をぐんと身近に引き寄せることになった。

三谷ワールド全開

三谷さんの大河ドラマに対する熱い思いは、さまざまなこだわりや新しい試みといった形で発揮されていった。「!」マークがついたタイトルは大河ドラマ史上初。良い画数にするために「!」を付けたという三谷さんだが、そこに新しい大河への意気込みも感じられた。

実際、ほぼ毎週のように収録スタジオに足を運び、「なるべく、みなさんと同じ空気を吸っていたい」と、出演者の演技やスタッフの仕事ぶりを熱心に見ていた。長期間、同じ役を演じることで成長していく俳優の姿を見て、そこから新たな可能性を試すことも多かったようだ。

またテーマ曲の歌詞を作詞したり、年末に放送する「スペシャル編(総集編)」のために、新たに台本を書き起こした。本編にはなかったナレーションを、沖田総司(藤原竜也)の姉・みつ役の沢口靖子さんが担当。明治5年、みつが勇との思い出を振り返るという設定で新たなシーンも撮影した。