ストーリーラグビー

最後のトップリーグ 大野均さんに聞く! 注目チームや選手は?

2021-02-19 午後 0:00

ラグビートップリーグは2022年の新リーグ発足前の最後のシーズン。今年は海外の一流選手が数多く移籍してきていて見どころも多くなっています。そこで2021年シーズンの見どころや注目のチーム・選手について、2020年5月に現役を引退し、現在東芝でラグビー普及担当を務めている元日本代表の大野均さんに聞きました!

 

「大野均さんが語る! 2021年ラグビー界への期待とは?」はこちら

大野均(おおの・ひとし)

1978年福島県郡山市生まれ。高校時代は野球部で活躍。地元の日大工学部に入学し、野球部に入部しようとしていたところ、ラグビー部の先輩に見学に連れて行かれ、そのままラグビーに転向。国体出場を経て、2001年に東芝に入社。
日本代表キャップは98で、日本人最多。2007年、2011年、2015年のW杯に日本代表として出場。トップリーグには、19シーズンで170試合に出場。ベストフィフティーンには9回選出されている。熱いプレーで観るものを魅了し、日本ラグビー界のレジェンドと呼ばれてきたが、2020年5月、現役を引退。現在は東芝で普及担当を務める。

東芝の特徴は正面からぶつかり小細工をしない――

ーー2003年から始まったトップリーグも今年が最後のシーズンです。

大野さんが注目するのはズバリ!どのチームでしょうか?

 

「もちろん、東芝ブレイブルーパスです!(笑) どのチームも最後のトップリーグに照準を合わせてくるので、東芝がどんな戦い方ができるのか注目したいですね」

 

ーーその東芝というチームの特徴と、注目すべき選手を教えてください。

 

「東芝の特徴は、一人ひとりが真面目にハードワークするところです。正面からぶつかってきて小細工をしないので戦い甲斐がある。だから東芝に勝つと嬉しいと、いろいろなチームの選手から言われます。そうは言われながらも、ここ数年は正直なところ、結果が伴っていなかった部分もありますが、今はまた東芝本来の姿に戻りつつあると実感しています。2021年シーズンでは、そこをぜひ見てほしいですね」

 

ーーそんな東芝で、大野さんが注目している選手は誰ですか?

 

2019年のワールドカップではウォーターボーイとして日本代表の活躍を支えた德永選手

 

「キャプテンの德永祥尭(よしたか)選手ですね。2019年のワールドカップでは日本代表に選ばれながらも試合に出場する機会がなく、悔しい思いをしているはずなのに、ウォーターボーイ(※)として献身的に代表チームを支えていました。彼はすでに次のワールドカップを照準に入れて、代表チームから与えられるきつい練習メニューもこなしています。そんな德永選手だからこそ、今年のトップリーグでは大暴れしてくれると期待しています」
※…プレーが止まった際に、選手に飲み物を持ってくる役割

ラグビーは大番狂わせが起きにくい――

ーー東芝以外のチームについてうかがいます。サントリー、パナソニック、ヤマハ発動機、神戸製鋼の4チームが、ここ数年はトップ争いをしていますが、どういう印象をお持ちですか?

 

「どのチームも非常に選手層が厚い。ミスが少ない。そういうチームは強いです。
2020年のシーズンでは、中断になる前の試合で、東芝は神戸製鋼に完敗してしまい、非常に悔しい思いをしました」

 

神戸製鋼は2018‐2019シーズン王者

 

ーーでは、ラグビーに興味を持って、これから見始めようという人に、このチームの試合を見ると面白いというチームをあげてもらうとしたら、どこでしょう?

 

「やはり神戸製鋼ですね。ベン・スミス選手やアーロン・クルーデン選手、ブロディ・レタリック選手など世界的なビッグネームもたくさんいますし、強いフォワードで縦をついて相手を崩し、外に早いバックスを展開して、トライを取り切るという正攻法のプレーを当たり前にできるのは神戸製鋼なのかなと、2019年シーズンの戦いを見るとそう感じます」

 

神戸製鋼に新加入したベン・スミス選手(左)とアーロン・クルーデン選手

 

ーー神戸製鋼には、大野さんが注目する日本代表の選手はいますか?

 

2020年2月、トップリーグで活躍するラファエレ・ティモシー選手

 

「2019年のワールドカップで日本代表にもなった、ラファエレ・ティモシー選手。体も強いし、オフロードパスがすごく上手です。彼をフォローしている選手たちは、彼がタックルされても、どこかでパスをくれるのを信じて走り込んでいきます。すると本当に、いいタイミングでパスを出されるんです。神戸製鋼が勢いに乗るために重要なキープレーヤーの1人ですね。観戦する側からしても『あんなパスが繋がるんだ!』という驚きがありますから。そういった点でも、初めてラグビーを見る人にとってもわかりやすいし楽しめると思いますね」

 

ーーわかりやすさや楽しさといった点で、ファン注目のチームは?

 

「バックスの展開力という点で、サントリーは見ていてスピード感があり、楽しいと思います。しかも、新たに世界最高の選手の一人である、ニュージーランド代表のボーデン・バレット選手が加入しました。彼はプレーが正確だし、足も速い。まさにオールラウンドプレイヤーです。サントリーの試合がどのように変わるのか、要注目です」

 

今年からサントリーに加入したニュージーランド代表ボーデン・バレット選手


ーーひとりの選手の加入で、試合展開も変わってしまうんですね。

 

「どの対戦チームも、当然ボーデン・バレット選手をマークしてきます。でもそれは逆にいうと、サントリーにとって、ほかの選手が動きやすいスペースができるということでもあるんです。持ち前のバックスの力でそのスペースをどう生かすか、見どころだと思います」

 

ーー大野さんが注目している外国人選手、他にもいますか?

 

スコットランド代表の主将として同国歴代1位の経験を誇るグレイグ・レイドロー選手

 

「たくさんいます!(笑) まず、NTTコミュニケーションズに加入した、グレイグ・レイドロー選手。彼は、2019年のワールドカップではスコットランドのキャプテンで、いわば日本の天敵だった選手です(笑)。私も何回か対戦したことがあるんですが、彼がいることによって、どんな場面でもチームに落ち着きがもたらされる。彼がNTTコミュニケーションズでどんな存在感を発揮するのか楽しみです」

注目する日本代表選手は、具智元選手。彼の変化を見たい。

ーー2019年のワールドカップで活躍した日本代表選手の中で、気になる選手は?

 

2019年ワードカップ準々決勝での具智元選手。2021年も注目

 

「Hondaの具智元選手。彼の変化を見てみたいですね。彼はとても真面目な選手で、学生のころから知っていますが、本当に人柄がいいんです。ただ、人が良すぎて周りに遠慮してしまうところがありました。でも、ワールドカップでプレーしたことで自信を持ったと思うので、2021年シーズンは強気なプレーを見せてくれるのではないかと期待しています」

 

2019年ワールドカップではゲームキャプテンも努めたピーター・ラブスカフニ選手

 

「あと、先日クボタスピアーズと練習試合をしたんですが、ワールドカップで、リーチ・マイケル選手に代わって2試合で主将をつとめたピーター・ラブスカフニ選手は、相変わらずいいプレーをしていました。彼の統率力にも注目です」


ーーラグビー選手には、そういういいエピソードが多いという話をよく耳にします。ファンとしては、グラウンドでは見ることができない、そのような選手個人の素顔について知りたいと思います。

 

 

「今では、SNSなどで選手が自分でいろいろ発信していたり、あるいは、厳しい練習をしている中で、ふと見せる笑顔やいい表情を、チームがオフィシャルで発信したりもしています。このようにSNSを活用することで、グラウンドでは見ることができない選手の別の顔などを紹介していって、それを見て『この選手を応援したいな』と思ってくれたら、うれしいですよね」

 

ーー2021年シーズンは新型コロナの影響で、「スタジアムに行きたいけど行けない!でも好きなチームの応援をしたい!」という人も多いと思います。そんなときはどのように応援したらよいか、ファンの皆さんに一言お願いします。

 

「本当はスタジアムに来てもらうのが一番ではあるのですが、状況的に厳しい場合も当然あります。そのようなときには、テレビ放送やスポーツ観戦アプリなどで応援してもらったり、 いまお話したSNSをチェックしたりして、いろいろと反応してもらえたらうれしいですね。どのような形であれ、ファンとのコミュニケーションをとることによって、選手のモチベーションもあがります。それがトップリーグの盛り上がりにもつながっていくので、ぜひ、いろいろな方法でラグビーを楽しんでほしいと思います」

関連キーワード

関連トピックス

最新トピックス

RANKING人気のトピックス

アクセス数の多いコンテンツをランキング形式でお届け!