ストーリーサッカー

川崎フロンターレ 三笘薫選手 ドリブルの極意に迫る

2021-01-09 午前 11:00

昨シーズンのJリーグはJ1史上最速優勝など数々の記録を打ちたてた川崎フロンターレの強さが光りました。中でも目立ったのが新人最多記録に並ぶ13点をマークしたルーキーの三笘薫選手です。持ち味のドリブルの極意と、活躍の秘密に迫りました。

躍進の今季、自己評価は?

 

選手などの投票で選ばれるベストイレブンで最多の得票を集めた三笘選手。昨シーズンの活躍に「点数をつけるとしたら?」と聞くと「難しいですね」と言いながら、柔らかい表情でこう答えてくれました。

三笘 選手

自分のプレーを出せた試合もあるし、出せなかった試合も多くある。充実していた反面、悔しいシーズンでもあったので、70点くらいがちょうどいいのかな。

 

控えめな自己評価の裏に”俺はまだやれる”という確かな自信が見えました。

ドリブルの極意 “三笘の置きどころ”とは

 

三笘選手と言えば、やはりドリブル。ドリブルで左サイドを駆け上がり、ゴールに結びつけるシーンは昨シーズンのフロンターレを象徴する攻撃パターンの1つでした。ドリブルの極意を聞くと、こんな答えが返ってきました。

三笘 選手

つねに自分の“置きどころ”にボールを置くことを大切にしています。

 

「置きどころ??」気になってさらに尋ねてみると「ここまで詳しく聞かれるとは思いませんでした」と苦笑いしながらも「サッカーをやっている子どもたちのためになるなら」と場所を示しながら快く教えてくれました。

 

三笘 選手

右足のつま先の真ん前です。近すぎなくて、足首の角度ひとつでインサイド、アウトサイド、どちらでもボールを動かすことができ、次のプレーに移行しやすい場所。つねに多くの選択肢を持っていられるところが自分の中の“置きどころ”なんです。

 

パス、ドリブル、シュート。どの動作にも対応できる場所にボールを置くことで相手に的を絞らせないのが狙いだと言います。さらに、ドリブルする際の姿勢も意識しています。

三笘 選手

頭が下がっていると周りが見えないし、その分、相手からも『こいつ選択肢ないな』と思われて飛び込まれやすくなる。前を向いていれば相手も近づきづらいオーラを感じると思うし、姿勢を正すというのは大切なんです。

 

 

昨シーズン、三笘選手自身が会心だったと振り返るのが8月19日に行われたセレッソ大阪戦のゴールでした。ハーフウェーライン近くでボールを受けた三笘選手は20メートルほどドリブルしたあと、左サイドに流れた小林悠選手にスルーパス。

 

そして、小林選手が空けたペナルティエリア中央のスペースでパスを受けると、すばやく右足を振り抜き相手の股を抜くシュートでゴールネットを揺らしました。ドリブル、パス、シュート。三笘選手の言う多彩な選択肢が凝縮されたゴールでした。

三笘 選手

パスをする時点で相手や味方がどう動いて、自分がどこで受ければチャンスになって、シュートが打てるとイメージできていた。しっかり決められたし、イメージ通りのゴールでした。

活躍の背景にレジェンドの金言

 

そんな三笘選手でも、開幕当初からゴールを量産できたわけではありません。第6節の7月22日のベガルタ仙台戦まではゴールが生まれませんでした。実はこの試合のあと、練習の合間に昨シーズンで引退した中村憲剛選手から「もっとリラックスしてコースに流し込め」とアドバイスを受けたというのです。

 

フロンターレユース出身の三笘選手にとって「昔から憧れだった」という中村選手からのことばは、すっと胸に入ってきたと言います。

三笘 選手

プレッシャーとまではいかないが『点が入らないなぁ』と考えてしまっていた。力んでいたというか、『自分、自分』になっていたのもあった。周りの選手を使うことへの大切さ、力を抜くことの大切さを実感させられた。

 

 

そんなレジェンドの金言もあって、その直後のリーグ戦、湘南ベルマーレ戦で、待望のプロ初ゴールを奪うと、8月にはJリーグカップも含めて5試合続けてゴールをマークするなど面白いように結果が出るようになりました。

三笘 選手

アドバイスのタイミングがすごい。なんとなく力が入っているときに力を抜くよう言ってくれる。サッカーはメンタルで動くところもあるので結果につながったと思うので憲剛さんには本当に感謝しています。

23歳 大いなる野望

 

東京オリンピック世代でもある23歳の三笘選手。目指すところとは。

三笘 選手

海外で活躍することと、日本代表としてワールドカップを戦うのは小さいころからの夢。サイドだけでなく中央でもプレーできて、ドリブル、パス、シュート、なんでもできる選手をめざす。メンタリティ、フィジカル、いろんな要素を加味して誰から見ても、すごいと思われる選手になりたい。今はまだほど遠いので、日々、頑張るしかない。

 

冷静な口ぶりながら熱い思いを語ってくれた三笘選手。東京オリンピックでも持ち味のドリブルで海外勢を圧倒する姿をたくさん見せてくれることを期待したいと思います。

 

この記事を書いた人

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武田 善宏 記者

2009年NHK入局。鹿児島局→福岡局→スポーツニュース部。プロ野球を3年間担当したあと、サッカー担当として日本代表、Jリーグを取材

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