ストーリーバドミントン

見どころたっぷり! バドミントン全日本総合選手権

2020-12-21 午後 04:45

シャトルを打つ独特のスマッシュの音がコートに戻ってくる。


新型コロナウイルスの感染拡大で国内大会の中止や延期が続いていたバドミントン。12月22日に開幕する日本一を決める「全日本総合選手権」には、オリンピックでメダルを目指すトップ選手たちが勢揃いする。注目の選手たちを紹介したい。

絶対的エースの“再始動”

 

男子シングルスでは世界ランキング1位の桃田賢斗が11か月ぶりの公式戦に臨む。東京オリンピックの金メダルに最も近い選手と言われていた日本のエース、桃田にとって2020年は試練の1年だった。1月に遠征先のマレーシアで交通事故に巻き込まれ、選手の生命線といわれる目の手術を余儀なくされた。


7月に開幕予定だった東京オリンピックに向け必死のリハビリを続ける中で、新型コロナウイルスの感染が拡大。オリンピックの延期とともに、復帰戦のめども立たなくなった。試合に出られない期間は11か月にも及んだ。

 

 

この期間に、桃田が取り組んでいたのは、世界を転戦していた去年までは時間がなくできなかった自らの課題と向き合うことだった。もともと桃田を世界トップに押し上げたのは絶対的な守りの力と言われてきた。


もちろん代名詞とも言えるヘアピンなどシャトルのコントロール技術は他の追随を許さないが、パワーで勝るライバルたちの豪快なショットを流れるようなフットワークで返し続ける守りの力は、まさに世界一の技術だ。

 


事故後の会見で桃田は「さらなる強さを身につけてコートに戻ってくる」と語った。その言葉を現実のものとするために、自粛で生まれた時間を攻撃力の強化に費やしてきた。「世界で自信を持って戦うには、全日本総合は絶対に譲れないタイトル」と公言する桃田。どんな新しいプレーをコートの上で見せてくれるのか、期待が高まる。

女子2種目は頂上対決に注目

 

日本の“黄金種目”と言われて久しい女子ダブルス。今大会には、ともに東京オリンピックの出場が確実となっている世界2位の福島由紀と廣田彩花の“フクヒロ“ペア。

 

 

そして、世界選手権を連覇している世界3位の永原和可那と松本麻佑の“ナガマツ”ペアが出場する。

 

国内大会で世界でも最高の相手と対戦できるというのが選手層が厚いこの種目の利点だ。去年の前回大会では“ナガマツ”ペアが、“フクヒロ”ペアの連覇を止めて悲願の初優勝を果たした。しかし、直近の対戦では、ことし10月、日本より一足先に大会が再開した北欧のデンマークで国際大会の決勝を戦い、“フクヒロ”ペアがリベンジを果たしている。

 

世界に出ても見劣りしないパワーの“ナガマツ”ペアに対し、“フクヒロ”ペアはこれまで日本が得意としてきたコンビネーションで対抗する。来年の東京オリンピックの決勝での顔合わせも期待される両ペアの日本一の称号をかけた真剣勝負に注目して欲しい。

 

 

女子シングルスも2枚看板の対決に注目だ。日本のシングルス種目で初めてとなるオリンピックのメダル(銅メダル)を4年前のリオデジャネイロ大会でつかんだ奥原希望。

 

 

そして、この種目で日本勢トップとなる世界ランキング3位の山口茜によるライバル対決だ。

 

奥原は、10月にデンマークで行われた国際大会で一足先に実戦に復帰し、世界のライバルたちを相手に優勝という最高の結果を残し、ことし最後の大舞台に臨む。もともと気持ちで戦うタイプで、1勝をあげた自信は奥原の背中を確実に押すことになる。


一方で、山口は新型コロナウイルスの影響を考慮して、この9か月大会に出場する代わりに徹底的にトレーニングを積んできた。試合勘という意味では不安要素はあるが、自分と向き合ってきた9か月間で、どこまでプレーの質を高められたのか、それを見るのが楽しみだ。

混合ダブルスでの再スタート

 

混合ダブルスには、注目して欲しい選手がいる。松友美佐紀。そう高橋礼華との“タカマツ”ペアで、4年前のリオデジャネイロオリンピックで日本バドミントン史上初の金メダルを獲得した、あの松友だ。

 

 

ことし9月に高橋の引退に伴い女子ダブルスのペアを解消。混合ダブルスに軸足を移すことになった。ペアを組むのは同じ所属で、これまで国際大会で混合のペアを組んだこともあった金子祐樹。

 


金子も男子ダブルスで日本代表入りしていたトップ選手だが、松友との混合ダブルスに競技人生をかけることを決めた。この種目には、世界で活躍を続ける渡辺勇大と東野有紗のペアがいる。ことし軸足をこの種目に移した2人にとっては、高くて厚い壁であることは間違いない。


それでも、オリンピック金メダリストが世界の舞台に再び戻るためには、どうしても欲しい全日本総合のタイトル。どんなリスタートを見せてくれるか楽しみだ。

この記事を書いた人

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酒井 紀之 記者

スポーツニュース部記者
バドミントン担当。

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