ストーリーラグビー

早明戦 コロナ禍の中 キャプテンの思いは 

2020-12-08 午後 06:30

1923年に始まり、96回目を迎えた早稲田対明治の一戦。今シーズンは新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、各チーム大きく活動を制限してきました。例年とは一変した厳しい状況の中、チームにどう向き合ってきたのか。両校のキャプテンに聞きました。

“ぶれないリーダー” 早稲田大学 丸尾 崇真 主将

 

丸尾選手は早稲田実業出身。高校時代に全国大会出場の経験はありません。幼いころから早稲田のラグビーにあこがれ、早稲田でのプレーを目標に取り組んできました。一つ一つ言葉を選びながら、しっかりした口調で答えてくれました。

丸尾 主将

今がどうであろうと、最後の目標(大学選手権優勝)は変わらないことを意識した。自分がぶれてしまったらみんながぶれてしまう。まっすぐ目標に突き進むことを意識した。

 

春のシーズン、夏の合宿もない中、一つ一つの細かい練習を、選手権の決勝とおなじような緊張感でできるかどうかを大事にした。何気ない練習の中に“早稲田としてのこだわり”を出していくことを意識して練習した。

 

その姿がチームに落ち着きを与えてくれたと、相良南海夫監督は話します。

相良 監督

一人の青年としては動揺もあったと思うが、今の状況を受け入れ、それに対してどう行動するかを発信し続けてくれた。“ぶれないリーダー”として、成長した部分はあったと思う。

“語りかけを大事に” 明治大学 箸本 龍雅 主将

 

箸本選手は東福岡高校時代、全国優勝を経験。各年代の日本代表でも主力として活躍しました。激しいプレースタイルとは違う、穏やかな話しぶりが印象的です。キャプテンになり、チーム全体のことをより強く意識するようになりました。

箸本 主将

今までは自分のことだけにフォーカスしていた。今は周りへの声かけを意識している。一緒に練習しないメンバーにも“今日の練習どうだった?”“体大きくなったね”“髪切ったの?”など、細かいことでもいいので話しかけるようにしている。

 

試合もなく、授業もオンライン。みんな寮から出られない。いい意味でとらえればコミュニケーションの機会が増えた。チームをよくするためにどうすればよいのか話し合う機会が多かった。

 

田中澄憲監督も、箸本主将の変化を感じていました。

田中 監督

彼は“ピュアで優しい男”もともとは背中で引っ張るタイプ。キャプテンになり、人とかかわっていく難しさを感じながら取り組んだと思う。発言力がついてきたと感じる。

優勝をかけて 伝統の一戦

 

6戦全勝の早稲田、5勝1敗の明治。関東大学ラグビー対抗戦の優勝の行方も、この1戦にかかることになりました。ともに下級生のころから出場を重ね、特別な思いを持って臨んだ対戦です。

 

スクラムやラインアウトなど、セットプレーで上回った明治が勢いにのり、34 ー14で勝利。対抗戦の優勝も決めました。明治大学の箸本主将、ボールを持つとどんどん前へ、自ら先制トライも決めました。試合後の記者会見では、チーム全体を思った言葉が聞かれました。

箸本 主将

対抗戦優勝は(試合に出た)メンバーだけじゃなくてチームの頑張りが評価される結果だと僕自身は思っている。試合に出ていないメンバーを負けた気持ちにさせたくないという思いで試合に臨んだ。

 

直前の円陣で“ミスは怖い?”と問いかけた。誰も怖いとは言わなかった。“準備をして不安要素を無くしてきたからだよね”“今まで準備してきたことを出し切るだけだから。グラウンドに立てる立場に誇りをもって戦おう”という話をした。

 

敗れた早稲田大学の丸尾主将、あきらめず、最後まで相手に食らいつくディフェンスが印象的でした。ぶれることなく、次の目標を見据えています。

丸尾 主将 

本当に悔しい気持ちがある。これを糧として一日一日積み上げて大学選手権優勝を目指したい。一日一日積み上げ続けるしかないと思うので、一秒一秒大事にしたい。

 

箸本選手を前に出した結果、明治が勢いづいたと思うので、再戦があるなら、一歩も前に出さないという強い気持ちをもって臨みたい。

 

大学ラグビーのシーズンはあと1か月ほどで幕を閉じます。例年とは違う環境の中チームを作り上げてきた選手たち。その道のりに思いをはせながら、彼らの最後の戦いを見つめていきます。

この記事を書いた人

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高瀬 登志彦 アナウンサー

2001年 函館局で高校ラグビーのローカル中継を担当。各校の練習に通い、ルールや戦術をゼロから学ぶ。2019年 ラグビーワールドカップ実況。

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