ストーリー水泳

大本里佳 “このままじゃ限界” もらった1年で何ができるか

2020-12-06 午後 03:45

競泳の日本選手権、女子200メートル個人メドレーは、成長株の大本里佳選手が3位。

泳ぎの改造は道半ばですが、来年4月のオリンピック代表選考会へ成長を誓いました。

このままじゃ限界… 見つめ直した泳ぎ

「この泳ぎのままじゃ限界があるんじゃないか。もう1段階、上に行くために泳ぎを変えました」

 

 

2019年世界選手権 女子200メートル個人メドレー決勝後

 

大会前、NHKのインタビューでそう語った大本選手。個人メドレーに必要な4つの泳ぎの中で、最も得意とする自由形のフォームを変える挑戦を始めていました。

 

背中を押したのが東京オリンピックの1年延期です。実はことしの東京オリンピックを最後に競技の第一線を退くつもりだったという大本選手。

 

競技のかたわら、中央大学法学部の学生として勉強を続け、大学3年から就職活動を始めていました。アスリートではない学生に混じってインターンシップに参加し、この春にはあこがれだった航空会社に入社。夏にオリンピックが終わればきっぱり第一線を退き、会社の総合職としての将来を思い描いていたといいます。

五輪延期でもらったプラス1年の競技人生

競泳日本選手権 女子100メートル自由形決勝

「ことしだったらメダルにかかるかどうかの位置だった。競技人生があと1年伸びたので、メダルに近づくためにもっと何かできるんじゃないか」

 

 

去年は大学4年間で地道に続けた強化が実り、自己ベストを大きく更新したものの世界選手権で5位。メダルにはまだ距離があると自らを冷静に見ていた大本選手は、初めてのオリンピックで確実に表彰台にのぼるため、泳ぎを見直すことを決めました。

カギは終盤の効率アップ

2019年 世界選手権50m自由形予選を終えた大本選手

 

大本選手が理想とするのは前半から積極的に前に出てリードを奪い、最後に泳ぐ自由形のスピードを武器に逃げ切るレースです。2分を超えるレース終盤のきつい局面でもスピードを保つため、水の抵抗を減らし少ない体力で速く進む“効率のいい”泳ぎを模索しています。

 

以前は肩の関節が柔らかいため腕の回転が大きくなりすぎ、推進力にならない無駄な動きが多かったといいますが、競泳日本代表チームの分析スタッフにその欠点を指摘されてから、水面近くや体の前でしっかり水をかくコンパクトな泳ぎを目指すようになりました。

挑戦は道半ば、収穫も

2019年 競泳ワールドカップ東京大会

 

5日は100メートル自由形とあわせて4レースに臨んだ大本選手。自由形の決勝で同着での優勝を果たした、わずか30分後に個人メドレー決勝に出場しました。

 

疲労が残る中で序盤は2位につけたものの、後半途中で苦手とするターンの動作で遅れて3位。最後の自由形でも順位を上げることはできず初優勝はなりませんでした。

 

しかし収穫もあります。

最近はフォームを考えすぎてスピードに乗り切れていませんでしたが、体力がきつい今回のレースは「やってきた練習を信じてやるしかないと無の状態で泳いだ」と開き直ることが出来ました。

 

オリンピックの代表をかけた来年4月の選考会は「勝つしかないし記録をもっと求めていかないといけない」と気を引き締める大本選手。挑戦は道半ばですが、さらにレベルアップした泳ぎを見せてくれるか、これからも注目です。

この記事を書いた人

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橋本 剛 記者

2005年 NHK入局 

社会部で東日本大震災からの復興や環境問題を取材。スポーツニュース部では水泳を担当。

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