ストーリー相撲

宇良 幕内復帰を目指し「稽古を頑張りたい」

2020-11-27 午前 10:00

「うれしいしか出てこない」
11月場所の12日目、勝ち越しを決めた十両の宇良が喜びをかみしめるように心の内を語った。

2度のひざの大けがを乗り越えて3年ぶりに関取となった「業師」の宇良。十両の土俵で復活への一歩となる結果を残した。

(11月場所12日目 宇良が押し出しで旭大星を破る)

 

28歳の宇良は、大学卒業後に木瀬部屋に入門し、平成27年春場所で初土俵を踏んだ。

(平成27年春場所の前相撲で初土俵の宇良)

 

持ち味は、身長1メートル75センチの小柄な体から繰り出す多彩な技。平成29年初場所では十両以上では初めてとなる決まり手「たすき反り」で一躍、注目を集めた。

 

次の春場所で新入幕を果たし、幕内3場所目で横綱・日馬富士を破る金星も挙げた。

(平成29年 名古屋場所9日目 宇良が日馬富士を破る)


しかし、その後待っていたのは右ひざの大けがだった。1度は復帰を果たすも、けがを繰り返して2回の手術。番付は序二段まで下がった。

「ひざがよくなるのかわからない状態。精神的にはきついところがあった」

再び土俵に戻れるのかどうか不安を抱えながらリハビリを続けていた時、ある出会いがあった。

福岡県に住む酒井佐津恵さん(88歳)。タンパク質の異常によって代謝機能などが損なわれる難病で入退院を繰り返している。
復活へ努力を重ねる宇良に思いを重ねて励ましの手紙を送ったことで交流が始まった。

「自分の相撲で人を元気づけられる。頑張ろうという気持ちが、さらに強くなった」

宇良は酒井さんとの交流を励みに徐々に番付を上げ、3年ぶりに十両の土俵に戻ってきた11月場所の前に酒井さんからプレゼントが届いた。
宇良の代名詞『技』の文字がデザインされた化粧まわしだ。

 

「元気に相撲を取る姿を見てもらいたい」

新しい化粧まわしを付けて臨んだ宇良はそのことば通り元気に土俵を動き回った。

5日目には、十両では27年ぶりとなる「居ぞり」を決め国技館を大いに沸かせた。11月場所は十両13枚目で後半戦に5勝を挙げ、9勝6敗で勝ち越した。

入院中の病室から宇良の取組をテレビやタブレット端末を使ってチェックしているという酒井さんへ、千秋楽まで相撲を取りきったあと思いを語った。

「勝ち越せてよかった。しっかり報告できたらなと思う」

 

宇良の今の目標は、ケガの前の自分を超えること。ふた桁白星を逃した千秋楽には「最後の一番が悔しかった。また稽古を頑張りたい」と結果へのこだわりも口にした。さらにひとつ上「幕内」の舞台を目指して気持ちは早くも次の初場所を見据えている。
           

 

この記事を書いた人

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坂梨 宏和 記者

平成21年NHK入局 福岡県出身

長崎局、広島局などを経てスポーツニュース部で大相撲を担当。早くコロナが収束し、通常の取材環境になることを願っています。

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