ストーリーラグビー

早慶戦 “伝統の一戦”にかける4年生の思い

2020-11-26 午後 04:20

関東大学ラグビー対抗戦。97回目となった”慶応対早稲田”伝統の一戦は、両校の激しい守備によってロースコアの接戦に。前半に反則が目立っていたプレーを修正し、少ないチャンスを得点につなげた早稲田が22対11で勝利を収めました。

 

 (左) 吉村 紘 選手 (右) 小西 泰聖 選手

 

2年生のハーフ団、吉村紘選手と小西泰聖選手のゲームメーク、1年生フランカーの村田陣悟選手の突破。慶応も1年生フルバックの山田響選手がプレースキッカーを務めるなど、下級生の活躍が光りました。

 

ただ、学生スポーツにとって忘れてはならないのが、最上級生の存在です。今回、取材の中で特に印象に残った4年生が両校にいました。慶応の池田勇希選手と、早稲田の坪郷智輝選手です。

 

 

試合前日、慶応のグラウンドに取材に行った時のこと。ひときわ目立つ長身選手がいました。おしゃれな髪型の選手たちの中に、1人だけ丸刈り。それが池田選手でした。聞くと、刈り込んだのは最近とのこと。

 

今シーズン、ここ2試合はメンバーから外れていました。「決意表明ですかね」と話してくれたのは栗原徹監督。

慶応大学 栗原 徹 監督

こちらからさせたわけではないですよ(笑)。メンバー発表前には刈っていました。早稲田戦のメンバー入りは、まずはチーム内の競争に勝ったということ。それと、4年生の思いを早慶戦にぶつけてほしいというこちらの期待です。

 

池田は、言っては申し訳ないけどスキルも才能もない選手。もやしみたいな細い体を一生懸命大きくして、努力でここまで来ました。みんなイケちゃんのことが大好き。丸刈りを笑いながらも、どこかで尊敬している。こんな選手が早慶戦に出る、夢のある話じゃないですか。良いメッセージになると思います。

 

池田選手は後半38分からの出場。ほんのわずかの出場時間でしたが、チームも、応援席の控え部員も沸いた瞬間でした。

 

 

早稲田の坪郷選手は、11月1日の帝京戦が4年生にして対抗戦初出場。いきなりトライをあげる活躍を見せ、試合で最も活躍した選手に贈られるマン オブ ザ マッチに輝きました。

 

続く筑波戦も先発してトライ。随所に好プレーが光りました。高校時代は野球部。大学に入ってからラグビーを始めました。1メートル71センチ、決して大きくない体ですが、よく走り、何度もタックルに向かいます。同学年、早稲田の丸尾崇真主将も「叩き上げでポジションをつかんだ、早稲田らしい、早稲田にしかいない選手。信頼しています」と一目置く存在です。その坪郷選手、慶応との大一番は、主力のけが人が戻ってきたこともあり、メンバーから外れました。

 

試合の2日前。早稲田のグラウンドには、出場メンバーの練習相手として体を張る坪郷選手の姿がありました。ゴーグルをつけ、タックルダミーを持ち、時には大きな声を出して、“仮想 慶応”のプレーヤーを務めました。こういう選手がいるから強いんだ、そう思わせる早稲田の練習でした。

 

新型コロナウイルスの影響で中止になる試合もあった今年の大学ラグビー。4年生にとっては最後のシーズンです。試合に出ても、出られなくても、そこに至る過程はかけがえのないものです。どうかシーズンの最後まで無事に試合を迎えてほしい…、そう願う思いを強くしています。

この記事を書いた人

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浅井 僚馬 アナウンサー

2001年NHK入局 神戸-山口-名古屋-東京-広島で勤務
思い出のレースは去年のジャパンカップ。アーモンドアイ、コントレイル、デアリングタクトという最強馬3頭がしのぎを削った歴史的なレースを目の前で見られて興奮しました。

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